初心者でも使える! 青色申告ソフトのポイントを徹底解説大増税時代(5/8 ページ)

» 2012年03月13日 13時20分 公開
[奥川浩彦Business Media 誠]

複式簿記の記帳もソフトが勝手にしてくれる

 設定が終わったら入力作業だ。青色申告で65万円の控除をゲットするには複式簿記による記帳をしなければならない。複式簿記ってなんだろう。分からなくても大丈夫。そんな人のために青色申告ソフトがあると言っても過言ではない。

 筆者は独立時に青色申告の関係の本を数冊買い、簿記の本は古本屋で購入した。税金のルール(税制)は毎年変わるので新しい本で勉強するべきだが、簿記は古本でも大丈夫という考えだった。青色申告の本は熟読したが簿記の本は数ページで挫折、独立して6年目になるが理解できていない。

 一応、極簡単な複式簿記の記帳方法を説明しよう。複式簿記に無縁の人が買い物をしたときに家計簿、お小遣い帳などに記入するとしたらこんなイメージだろうか。

日付 品目 金額 備考
3月12日 マウス 2000円 PC周辺機器

 複式簿記では必ず左側に借方、右側に貸方と表記する。同じ例では、右手に2000円を握りしめてレジに行き、包装してもらったマウスを左手で受け取ったと想像してほしい。

日付 借方 貸方 摘要
3月12日 消耗品2000円 現金2000円 マウス

 と記帳する。普通の人には借方、貸方という感覚が分かりにくい。貸方の現金2000円は貸したわけではないし、購入したマウスは借りたわけではない。イメージとしては貸方は差し出すもの、借方は受け取るものといった感じ。消耗品という表現も普通の人は「マウスってそんなに消耗しないし」と思うかもしれないが、10万円未満の備品は消耗品という勘定科目に分類されるルールだ。

 この例を実際にやよいの青色申告12で入力してみよう。やよいの青色申告が優れている理由の1つは「簡単取引入力」だ。この例では「現金取引」「経費支払」「備品(10万円未満)の購入」「取引日付」「金額」を入力すれば自動的に借方、貸方に複式簿記で記帳される。至って簡単、簿記の知識は不要だ。

簡単取引入力をクリック
「現金取引」「経費支払」「備品(10万円未満)の購入」「取引日付」「金額」を入力する
自動的に借方、貸方に複式簿記で記帳される

 次は電気代が普通預金の口座から引き落とされた場合。「預金取引」でプルダウンメニューから普通預金、IT銀行を選択「経費支払」「電気代」「取引対象」「取引日付」「金額」と入力する。

 ちなみに初期設定で登録した銀行口座、経費科目、さらに按分用の補助科目はここに生かされている。仕訳を確認すると借方の勘定科目が水道光熱費と仕訳され補助科目が電気代、貸方は普通預金が1万円。雰囲気は左手で電気代の請求書を受け取り、右手に持った通帳から支払うイメージだ。

「預金取引」「経費支払」「電気代」「取引対象」「取引日付」「金額」を入力
複式簿記で借方に水道光熱費、貸方に普通預金と記帳される
インフレ時代の確定申告

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