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» 2013年05月14日 10時00分 UPDATE

トップ1%の人だけが実践している思考の法則:アイデアは普通でも、アプローチ次第でイノベーションは起こせる

平凡なアイデアしか思い付かない……。それはよくあること。しかしアイデアは普通でも、アプローチ次第でイノベーションは起こせるのです。

[永田豊志,Business Media 誠]

 成功する一握りの人々だけが実践する共通の「思考の法則」を知るには、いったん私たちが常識だと考えてきたルールをリセットする必要があります。そして彼らの行動や考え方に注目し、そのエッセンスを吸収して、その根底にある思考のサイクルを身に付けることが重要です。

 成功者はみな、次にあげる5つのビジネスプロセスを何度も、高速回転で循環させています。私は、キーワードとなった5つの英単語の頭文字をとって「5Aサイクル」と呼んでいます。

  1. 顧客の抱える問題の「認知」(Awareness)
  2. 問題解決のための従来と異なる「アプローチ」(Approach)
  3. アイデアのスピーディな「実行」(Action)
  4. 仮説と実行結果の差異に対する「分析」(Analysis)
  5. マーケットニーズに合わせた柔軟な「適応」(Adjustment)

 今回はこの各プロセスについてもう少し、詳しく説明しておきましょう。今回は第2のプロセス、「これまでと異なるアプローチ(Approach)」です。

アイデアは平凡でいい、アプローチがオンリーワン

shk_nagata11.jpg これまでと異なるものの見方、これまでと違う確度からの視点、違う領域での成功パターンの応用……。アイデアは普通でも、アプローチ次第でイノベーションは起こせます

 顧客や自分自身の「問題」を発見したからといって、その解決案を簡単に思い付くことはありません。簡単でリスクの少ない方法があれば、多くの人が既に実践し、問題は解決しているはずだからです。

 私もビジネスアイデアの講義で出席者からさまざまなアイデアの説明を受けるのですが、多くの場合、斬新と思えるものに出会うことはありません。本人がオリジナルと思っていても、同じようなことを考えている人が1000人はいると思って間違いありません。

 だからといって、あきらめないでください。とても有効な問題解決法が残されているはずです。それは問題解決のアイデアに、まったく異なる「アプローチ」(Approach)を組み合わせるということです。

 異なるアプローチとは、これまでに検討されたことのない従来とは異なる視点で問題を解決し、新しい価値を発想するための手段やアプローチです。誰もが問題は認識していても有効な解決策がないとあきらめていたところへ、「逆転の発想」「異種のヒント」などを組み合わせて、イノベーションを起こすのです。

 従来は非常識と思われたアプローチも、現在は最新のテクノロジーや情報ネットワークなどを組み合わせることにより、実現可能となりました。

 Googleは、図書館の本を整理するための「優れた本は多くの本から参照されている」というアルゴリズムをWebビジネスに転用して世界有数の検索サービス業を生み出しました。「図書館の本の整理法」というまったく異なる問題の解決方法を、別の問題解決に転用したのです。

 自然界にはこうしたアプローチのヒントが満載です。コウモリからレーダーを、蓮の葉からレインコートを、サメの肌から競泳水着を、ガラガラヘビから熱追尾型ミサイルを創りだしてきたのです。困難な問題解決は、既に自然界では解決している可能性が高いのです。

 スペインのファッションブランド「ZARA」では、最新のコンピュータネットワークを駆使して業界の固定観念であった在庫をほとんど持たずに世界のグループ店舗5000店で最新のファッションを提供しています。

 従来のアパレル業と逆のアプローチで、顧客が「今」欲しがっているデザインを、すぐに作り、完成から24時間以内にヨーロッパ中の店舗に納品する画期的なビジネスシステムを築いているのです。

 だからこそ、これまで視野に入っていなかった異業種に、異国に、自然界に目を向けましょう。あなたの素晴らしいアイデアをこれまでと異なるアプローチで実現するためのヒントが満載です。押してダメなら引いてみる。現在のアプローチが思わしくないなら、逆から考えるのも手です。

 解決すべき問題が明らかであれば、解決すべき方法も自ずと決まってきます。ですから、アイデア自体は凡庸なものでも一向に構わないのです。ポイントは、その「アプローチ」です。普通のアイデア+非常識なマーケティング、普通のアイデア+非凡なビジネスモデル……。

 同じ問題、同じアイデアでも、今までとは違うアングルから見られればそこに驚くような金脈が眠っていることに気が付くはずです。


 なお本連載の基となった『トップ1%の人だけが実践している思考の法則』(永田豊志著、かんき出版刊)では、5Aサイクルの具体例として、グーグルのほか、ダイソン、アマゾンなど今をときめくイノベーティブな企業群のエピソードを18のケースストーリーで紹介しています。

集中連載『トップ1%の人だけが実践している思考の法則』について

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 本連載は2012年12月19日に発売した『トップ1%の人だけが実践している思考の法則』(永田豊志著、かんき出版刊)から一部抜粋しています。

  • なぜ、Amazonは「大量の小口注文」をさばけるのか?
  • なぜ、Googleは「独自の検索システム」を編み出せたのか?
  • なぜ、ディズニーランドは「夢」を売ることができるのか?
  • なぜ、ダイソンは「羽根のない扇風機」を開発できたのか?

 本書は、イノベーションを起こして、ビジネスで勝ち残るための「思考法則」についての解説書です。これからの働き方は、大きく変わります。今まで通りに目の前にある仕事を頑張って働くのではなく、新しいイノベーションを起こしてソリュ―ション(問題解決)することが不可欠になります。本書はあなたの仕事にイノベーションを起こすために、トップ1%のできるビジネスマンだけが実践している「思考の法則」を著者、永田豊志氏が見つけ、分かりやすくまとめたものです。

 「営業」「企画」「経理」「総務」「財務」「マーケティング」――など、あなたが何を専門に従事しているかはまったく関係ありません。すべてのビジネスパーソンに必要な「思考」だからです。ぜひ、本書を読んで、変化の激しい時代に、あなたがたくましく生き残れるよう役立ててください。

著者紹介:永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 ビジネスマンの「知的生産性の向上」をテーマに精力的に執筆・講演活動も行っている。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)、『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(三笠書房刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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