Q1:仕事のやりがいを感じるときは?
creww がなければ実現していなかったようなことが目の前で実現するときに感じます。
僕は「何をやるか」ではなく、「なぜやるか」が重要だと考えています。この仕事を「なぜやるか」という思いがあるので、常に仕事のやりがいを感じています。
Q2:日本の「就活」をどう思うか?
僕自身は1度も就職をしていないので、日本の「就活」事情についてはよく分かりません。ただ、日本には魅力的な企業がたくさんあるので、どの企業を通して自分を発揮するかを考える大切なプロセスだと思います。アメリカでは専攻科目に関連する職業に進む人が多いですが、日本ではバックグラウンドのない業界への就職もあると聞き、面白いと思いました。
Q3:日本人の長所と短所は?
まず長所。日本人の国民性、協調性は世界一だと思っています。
短所は一般によく言われるように、多様性を認めにくい風潮があることだと感じます。この風潮は、これから新しいことに挑戦する人が活躍できる社会になることで変わっていくのではと思います。
Q4:今の日本・日本人の課題は?
挑戦できる環境を作ることだと思います。新しい価値を生み出すことに挑戦する人たちを増やすこと、その成功率を上げる仕組みを持った健全なエコシステムを構築することが、今後の日本に必要だと感じています。これこそがcrewwを立ち上げた理由です。
Q5:世代を意識するか? 前後の世代との違いは? その理由は?
世代を意識したことはありません。僕は世代に関係なく、凄いと思う人からは素直に学ぼうとしています。
Q6:あなたにとってお金とは?
起業家である以上、結果でしか評価されないので、目標を高くおいて稼ぐということは必須だと思います。目標通りの結果でExitできた後は、きっと次のチャレンジに投資をするのだと思います。
常に思考がポジティブだ。高校時代に政府の交換留学生プログラムで米国留学したのは偶然だったようだが、原体験として、20代にして、既に4回の起業経験を持っている。「軌道に乗るとナンバー2の人が会社を上手く回してくれるので、自分は次の起業ができてラッキーだった」と語っているけれど、そんなチームを組成するのは簡単ではない。チームリーダとしての資質が高いのだろうし、バイタリティが素晴らしいと思う。
僕が興味を持ったのは、スタートアップベンチャー企業を支援するというサービスをやるための起業というところだ。日本の弱点の1つは、ベンチャー起業と既存の大企業の接点が少ないことだけれど、まさに、その日本経済の弱点を補完しようとしている。
crewwは、そのマッチングサービスを行う会社自体がスタートアップベンチャーであるというのも、とても面白い。スタートアップ企業の悩みがよく分かるだろうし、適切なアドバイスもできるだろう。
若いスタッフだけでなく、経験豊富なアドバイザーもいる。「老壮青(ろうそうせい 注2)のバランス」が大事というけれど、crewwはまさにそんなチームだ。実際、スタートアップベンチャーが成功するときには、若者のイノベーティブな発想やエネルギッシュな行動力だけではなく、経験に裏打ちされた大人の知恵も必要だ。
Facebookをモデルにした映画『ソーシャル・ネットワーク』でも、大学生のザッカーバーグが既にナップスターで経験のあるショーン・パーカーに応援されて、人脈や資金を得るというシーンがあった。
伊地知さんは米国に住んでいたことと日米での起業の経験があるので、日米両国の良いところと悪いところを、複眼的に捉えていて素晴らしいと思う。
大切なのは「何が出来るか」ではなくて、「なぜやるか」というビジョンを持つことだという彼のメッセージを、多くの人に受け取って欲しい。
山口哲一(やまぐち・のりかず)
1964年、東京生。早稲田大学第二文学部中退。音楽プロデューサー、コンテンツビジネス・エバンジェリスト。
株式会社バグ・コーポレーション代表取締役。『デジタルコンテンツ白書』(経済産業省監修)編集委員。
主な著書に『プロ直伝! 職業作曲家への道』(リットーミュージック)、『ソーシャル時代に音楽を“売る”7つの戦略』(リットーミュージック)、『ソーシャルネットワーク革命がみるみる分かる本』(ダイヤモンド社・共著)などがある。
Web連載:
WEDGE infinity「ビジネスパーソンのためのエンタメ業界入門」
CREAweb「来月、流行るJポップ〜チャート不毛時代のヒット曲羅針盤」
誠ブログ:
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