取材こぼれ話 「Caffice」は本気すぎるカフェだったBiz.ID Weekly Top10

「『ちょっと寄ってく?』――ふらりと寄れるビジネス利用OKなカフェ、新宿にオープン」という記事で取り上げたNHN PlayArtが開いたカフェ・Caffice。予想していたものとは全く違っていて……。

» 2014年10月25日 08時00分 公開
[渡辺まりか,Business Media 誠]

 10月も残り1週間を切った最後の土曜日。今週もWeekly Top10を紹介していきます。

 今週、最もよく読まれたのは「『ためらう』のはなぜ?――有給休暇を消化できない事情」でした。こちらの記事、掲載日を見ると2009年5月7日付けのもの。有給休暇を取得すると仕事が遅れるのではないか、周りの人に迷惑をかけるのではないかと心配になってなかなか取得できず、退職前にまとめて取得する――という話なのですが、今、こんなに読まれるということは、5年前からあまり状況が変わっていないのですね。誠 Biz.IDでは、時代を問わず共感できるトピックを取り上げた記事も多いので、ぜひ探してみてください。

 2番目は「iPhoneや携帯電話で撮影した写真のジオタグ情報を確認/削除する」。こちらも、4年前の2010年に掲載された記事。新しいiPhoneが出たり、iOSが8にバージョンアップしたことで検索されたのかもしれません。

 3位の記事は、「女性社員へのその配慮、実は“余計なお世話”です」。「女性だから」ということで、仕事を振るときに遠慮したり、気を使いすぎたりしていること、ありませんか? 例えば、「女性だから」終電ギリギリまで仕事しないように、と言ったり……。でもその配慮、女性だけではなく男性にも必要なのではないでしょうか。“女性だから”ではなく、誰に対しても同じような配慮が必要ということを再認識させられる記事でした。

 また、今週は文具も続々と発表され、6位には「L字型が決め手! 持ち上げやすく、簡単に平行線が引ける定規」、9位には「立てちゃった! 片手で簡単、軽量なテープカッター『TATETA』」がランクインしました。まだまだ文房具には創意工夫の余地があるのだと感じるとともに、その必要に気づく開発者たちのアイデアに頭が下がる思いがしました。


Caffice 「Caffice」店内

 10月23日、新宿南口にNHN PlayArtが「Caffice(カフィス)」をオープンしたのは、記事に書いたとおり。このカフェ、“ビジネスにも使える”と聞いていたので、もっと堅苦しい場所だと思っていたのですが、そんな予想は良い意味で裏切られたのです。

それ、こだわりすぎ?

 本格開店前とはいえ、普通にメニューから注文して良いとのこと。カウンターにある簡易メニューを見ると、取り消し線の引いてあるものがありました。案内してくれていた店長・辻村智子さんに聞いてみたところ、このメニューを提案したスタッフが「あと少しなんだけど、まだまだ何かが足りない!」と自分の作ったレシピに満足しておらず、最終調整しているというのです。味にはかなりこだわりがあるのですね。

 カウンターの脇にある焙煎機で焙煎しているのは「販売用の豆」だそうです。店内のドリンク用に提供しているコーヒー豆は、富山県にある「MicT」というこだわりの販売業者に依頼しているとか。おいしいコーヒーを追求すると、どうしてもチェーン系列の店と似たり寄ったりの味わいになってしまうため、酸味と苦味が程よいバランスになるよう調整した特注品「Cafficeブレンド」を使っているといいます。

左:ここで販売しているコーヒー豆は店内で焙煎している。右:カウンター脇にある焙煎機

 「オフィスワーカー向けのカフェ」と聞いていたので、ドリンクやフードはおざなりなものだろうと考えていたので(失礼!)、味へのこだわりに意外さを感じました。

くつろぎへの気遣いがそこここに

 「ビジネスエリア」は店内の最も奥にあり、フロアを一段高くしてほかのエリアと違うことが分かるようにしています。このエリアの席には、有線LANポート、プリンター、書庫、ロッカーが設けられています。

カウンター席にも対面式の席にもそれぞれAC電源と有線LANポートが備え付けてある
左:電子機器から目を離し、くつろぎながら読め、かつビジネスのヒントになる書籍をセレクト。右:書庫脇には自由に飲めるお冷やが……
Photo ビジネスエリアに備え付けのロッカー

 このカフェは月ごとの契約で利用するわけではないのに、なぜロッカーがあるのだろう? と不思議に思って聞いてみたところ、「仕事中に買い物に行きたくなることがありますよね。そんなとき、荷物を全部持って出かけるのは大変ですから、ここに預けていただけるように設置してあるんです」と辻村さん。

 戻って来たときに満席だったとしても、「お出かけ前にお声がけいただければ、1時間程度なら座席はおさえておきます」とのこと。これなら心配せずに席を外せそうです。

 そのほか、店内のあちこちにはゆるめのイラストが見られました。

左:ゆるイラストの下には……。右:プリンターが。まだ台が届いていなかったため、貴重な直置き“現場”を写真に収めることができました
左:レストルームへのサイン。右:「これら全部はこっち」のサイン

 壁にじかに描かれた温もりのあるイラストを見ていると心が和みますが、「そのうちはげてきてしまうかも」という心配もあるそうです。

 広く取ったスペース、座り心地の良い椅子、充実した電源周りの設備など、サービスへのこだわりや利用客への気遣いなど、Cafficeの本気を見たような気がします。

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