クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

GRヤリス 一番速いヤツと一番遅いヤツ池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/6 ページ)

» 2020年11月23日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 GRヤリスの試乗会は今回が3度目である。年明けのオートサロンでは見るだけだった。ということになっているが、その時点で筆者はすでに乗っていた。12月16日に、富士スピードウェイのジムカーナコースと駐車場に作られたと特設ダートコースで迷彩を施されたプロトタイプをテストしたのだ(ヤリスGR-FOURとスポーツドライビングの未来参照)。

WRCなどモータースポーツシーンで行われるファインチューンを量産に持ち込み、生産手法や開発手法も大幅に変更されたGRヤリス

 オートサロンで発表するまでは記事を載せませんという誓約書を書かされているので、掲載を我慢した状態で年を越えた。まあ実のところ販売店研修会のおこぼれで、大勢にしごき倒された後のクルマはだいぶコンディションが悪く、性能の片鱗(へんりん)を垣間見た程度のものだった。

 その後やはり7月終わりに富士スピードウェイのショートコースで、「RZ“High performance”」「RZ」「RS」の3台を試した(GRヤリスで「モータースポーツからクルマを開発する」ためにトヨタが取った手法参照)。

 そして年の瀬の足音が近づいてきた今頃になって、ようやく公道試乗会に至ったわけである。まあトヨタとしても、いろいろ情報公開の作戦はあるのだろうが、さすがにほぼ一年がかりは長すぎると思う。

 まあ書き手のわれわれが多少の迷惑を被ったとしても、仕事なのでそれは構わないが、どうもこの一連のスケジュールは、ユーザーにとってのベストではないような気がする。

伊豆のホテルを会場に行われた公道試乗会
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