旅行や結婚式など、ここぞと言った場面での撮影で失敗した経験はないだろうか? 電池切れやメモリー不足、外出先でのこういったトラブルは、その場で対処することが難しい分、せっかくの気分すらも台無しにしてしまいかねない。
ここでは筆者が普段から気をつけているポイントをいくつか紹介しよう。
面倒くさがりの筆者は、いつも荷物をまとめるのが出発の直前であることが多い。そのため、よく忘れ物をするのだが、最近心がけているのが、前日までに使うバッテリーをすべて充電しておくことだ。
カメラのバッテリーはその時々で残容量が異なってくる。ある日は出発直前の30分で充電が完了したとしても、別の日はそうは行かないことも考えられる。中途半端な充電で撮影に臨むのは、残量メーターが存在すると言っても不安が残ってしまう。
写真であればバッテリーがなくなってきても1枚単位でデータを残しておけるから、ぎりぎりまで粘れる。動画の場合、1カットだいたい15秒ほどないと、後々の編集で使い物にならないことが多い。数分の長尺で撮るかもしれないことを考えれば、やはりバッテリーはしっかり充電しておきたい。
メモリーカードにそれまで撮影したデータを入れっぱなしにしている人は、残容量をチェックしておいたほうがいい。もちろん、バックアップしておくことにこしたことはないのだが、急いでいるときなどは特に、データのコピーに時間を割く余裕がないこともあり得る。そういうときは、せめて残容量を確認し、十分撮影できる余裕があるかどうかを知っておくべきだ。
筆者は普段からデータをバックアップする事にしているので、出発直前はカードを必ずフォーマットするようにしている。
筆者が使用しているビデオカメラ「HDR-TG1」(レビュー)には、16Gバイトのメモリースティックを入れてある。フルHD動画だと1.5時間ほどしか撮影できない容量のため、使用前にデータを必ずコピーしてフォーマットするのが習慣化している。最近導入した「HDC-TM700」(パナソニック)は、96Gバイトの大容量メモリを内蔵するため、あまり残量を気にしなくなってしまったが、内蔵メモリであるがゆえ、取り外しができない。コピーがちょっと面倒になってしまいがちで、気がつくと残量が半分以下になっていたこともあった。
カメラの故障は突然やってくる。筆者はまだ突然の故障に見舞われた事はないのだが、取材に同行していた仲間のカメラが突然壊れてしまった現場に出くわしたことが何度もある。
そのため、出発前、あるいはカメラを荷物にしまう直前に、必ず一度撮影して、そのデータが正しく保存されているかを確認している。この操作だけで電池の入れ忘れやメモリーカードの不具合などにも気がつくことができる。
カタログなどに記載されているバッテリーの持ち時間や最大撮影枚数は、特定の条件下で測定されたものであるから、実際の撮影でその通りの結果が得られるとは限らない。特に、新たにカメラを購入したときなどは本番投入する前に、満充電したバッテリーを使ってテスト撮影してみよう。ズーム操作やストロボの充電、ビデオカメラであれば動画のビットレートの設定でもバッテリーの減りは大きく変わってくる。
“こんな操作をこれだけ続けると、残量メーターの目盛りが1つ減る”といった感覚で押さえておくだけでも、撮影時の心理的な負担はかなり軽減される。
HDC-TM700の場合、HAモード(1920×1080/60i、17Mbps)と1080/60p記録モード(1920×1080/60p、28Mbps)では、1080/60p記録モードの方が、体感的に1割ほど減りが早くなる印象を受けた。カメラ側でも記録モードによって電池消費が変わることを認識しているようで、HDR-TG1のFHモードとSPモードでの満充電時撮影予測時間は、それぞれ90分と93分だった。
デジタルカメラ(ビデオカメラ)であればほぼ装備されている液晶画面。撮影情報やプレビューができるので非常に便利であるが、そのプレビュー結果が実際のデータとまったく同じということは、実のところなかなかない。
プレビューを見ながら露出を補正したりホワイトバランスを調整したものの、後でPCの画面で確認したら露出が狂っていたりすることも考えられる。特に撮影時、露出補正やホワイトバランスの調整を多用する人ほど、背面液晶と実際のデータの違いを把握しておくといいと思う。
さて、ここまで確実にチェックしてくれば、撮影も問題なく行うことができるだろう。しかし撮影時もただ撮るだけではなく、撮影後に出力を行うことを念頭に置いて撮っていくと、後々データを存分に生かすことに繋がる。
次回は撮影中、撮影後のポイントを解説していこう。
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