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ITトレンド 〜データマネジメント編〜

進化し続けるテープバックアップ、安価に高度なデータ保護を実現

SPECIAL INTERVIEWとして、日本ヒューレット・パッカード株式会社 ストレージワークス製品本部 本部長 渡辺 浩二氏へのインタビュー記事をお届けする。
2006年09月09日 10時00分 更新

 日本版SOX法をはじめとするコンプライアンスや、災害対策など企業を取り巻く環境が激変するなか、貴重な企業資産であるデータ保護の重要性がますます高まっている。そのために欠かせないのがデータのバックアップである。最近はディスクベースのバックアップ手法も登場しているが、データ保護に求められる要件とコストバランスを満たす最も現実的な手法はテープによるバックアップである。一見、レガシーなシステムと思われがちだが、技術的に進化を続け、大容量かつ高速化を実現している。現在も、そしてこれからも多くの企業のデータ保護を支える基本的なバックアップ技術として高いニーズが見込まれている。

企業を取り巻く環境変化に伴い、高まるバックアップの重要性

 企業が扱うデータは加速度的に増大しており、ディスクシステムの容量は年率50%以上というすさまじい勢いで増え続けている。特に一般文書、メールデータ、動画・画像データなどのいわゆる非構造型データの増大が著しい。

 データベース系の構造型データは体系的に整理されたデータが多いため、データ増加の伸び率は比較的予想しやすいといわれる。しかし、非構造型データはシステムの性能や処理能力に比例して増大する傾向が強いため、右肩上がりの急激な増加を続けているのだ。意思決定に関わる重要なデータをメールでやりとりしたり、資料として動画や高品質の画像データを利用するなど、業務における非構造型データの利用頻度や重要度も日増しに高まっている。つまり、データ量の増加に伴い、その価値も向上しているのである。

 一方、個人情報保護法や日本版SOX法などコンプライアンス対策、テロや自然災害に対応したディザスタ・リカバリ(DR)対策の必要性が高まるなど、企業を取り巻く環境も厳しさを増している。それに伴い、データバックアップの重要性もますます高まっている。

hpstorage03.jpg 日本ヒューレット・パッカード株式会社 ストレージワークス製品本部 本部長 渡辺 浩二氏

 例えば、コンプライアンスの観点からは、顧客情報や財務記録などの重要情報は偽造や改ざんできないように厳重かつ長期にわたって安定的に保管できなければならない。またDRの観点でいえば、事業継続性を確保することが重要である。不測の事態による業務の停止はビジネス機会の損失につながるばかりでなく、社会的信頼性を低下させ、企業に甚大な被害をもたらす。「迅速にビジネスを復旧させ、被害を最小限に食い止めるリスクマネジメントとして、これまで以上にデータバックアップの重要性が高まっているのです」と日本ヒューレット・パッカードの渡辺 浩二氏は警鐘を鳴らす。

RAID構成の盲点を指摘。課題解消に有効なバックアップ

 昨今はディスクシステムの高性能化・低価格化が進み、信頼性の高いディスクシステムを比較的安価に導入できる環境が整いつつある。それに伴い、ディスクのRAID構成を採用し、バックアップ・システムとして代用しているところも増えている。RAIDとは複数のハードディスクを用い、データを分散して記録する技術。具体的には物理ディスクAと物理ディスクBに同様の内容を書き込むことでデータ保護を実現する。これにより、仮に物理ディスクAに障害が発生しても、物理ディスクBに記録されたデータを利用することで、耐障害性を高めることができる。「しかし、RAID構成は物理的障害に対しては有効ですが、OSやアプリケーション障害、オペレーションミスなどに対応するのは困難です」と渡辺氏は指摘する。

 というのも、物理ディスクには常に最新のデータが上書き保存されるため、オペレーションミスなどで重要なデータを削除・変更してしまうと、元のデータが失われてしまい、復旧することができないからだ。しかも、データを消失する主な原因としてはハードウェアやシステムの障害と並び、オペレーションミスやアプリケーション障害が高い割合を占めている。渡辺氏は「こうした課題に対応するにはスナップショットを作成したり、定期的にデータをローカルに保存し世代管理を行うデータバックアップが必要なのです」と力を込める。

 またRAID構成は一般的に物理ディスクAと物理ディスクBが同じ筐体内に収容されていることが多い。ディスクのある拠点サイト自体が大きなダメージを受ければ、物理ディスクA、物理ディスクBともに大きなダメージを受けることが予想される。「DRの観点からも、きちんとしたデータバックアップが極めて有効なのです」(渡辺氏)。

テープはバックアップの基本。安価で耐久性、可搬性に優れる

 バックアップ・ソリューションとしてはRPO(許容できる最大のデータ消失量)とRTO(許容できる最大のシステム停止時間)の相関関係により「テープバックアップ」「Disk to Diskバックアップ(仮想テープ、D2D2Tなど)」「ローカルデータレプリケーション」「リモートデータレプリケーション」の4つのステージに大別できる。このなかでRPOとRTOを最も短縮化でき、可用性が高いのはリモートデータレプリケーションである。

 リモートデータレプリケーションは遠隔地に構築した2つのデータセンター間でデータの複製を行い、一方のデータセンターに障害が発生した場合には、もう一方のデータセンターに瞬時に切り替わるシステム。これにより、高レベルのデータ保護と高い可用性を実現するものだ。

hpstorage01.jpg <RPOとRTOの相関に基づくバックアップ・ソリューションのステージ>バックアップの基本はテープバックアップ。その基盤環境や運用管理体制をベースに、より高度なバックアップ・ソリューションを目指し、RPOとRTOの短縮化を図っていくのが現実的なアプローチといえよう

 しかし、システムの構築には膨大な投資が必要であり、バックアップ・システムの基盤や運用管理体制が整っていることが前提となる。渡辺氏は「いきなり高度なバックアップ・システムを目指すのは現実的なアプローチとは言えません。まずバックアップの基本ともいえるテープバックアップから着手し、必要に応じてバックアップ・ソリューションのステージを上げていくことを考えるべきでしょう」とアドバイスする。

 先述したように、最近はRAID構成をバックアップの代用とし、きちんとしたバックアップ体制に着手できていない企業もある。「自社のバックアップ環境を見直し、改善の余地がある場合は、第一にテープバックアップの導入を考えるべきです」(渡辺氏)。

 一方、最近はディスクベースのバックアップなども登場しているため、従来から利用されているテープバックアップはレガシーなシステムといった印象を抱く人も多い。しかし、テープには他のメディアにはない様々なメリットがあり、今なお多くの企業で利用されている標準的なバックアップ手法なのである。

 テープのメリットとしては容量単価がディスクの3分の1程度と比較的安価なこと、電力消費がディスクより小さく、費用対効果に優れている点などが特徴だ。「昨日のデータを記録したテープ、本日のデータを記録したテープといった具合にメディアを分けて管理することもできるため、多世代管理に適しています。メディアを分けて管理すれば、データをリカバリする際もすぐに必要なデータを見つけやすく、復旧作業を効率的に行えるでしょう」と渡辺氏はそのメリットを強調する。しかも、適切に保管されたメディアは30年以上安定的にデータを保存でき、コンプライアンスの課題に対応した長期保存にも適している。「またコンパクトで可搬性が高いため、バックアップをとったテープを安全なオフサイトで外部保管することで災害時のデータ保護にも有効です」(渡辺氏)。

大容量・高速化に対応。次世代ロードマップも公開

 メリットはこればかりではない。テープメディアは新たな技術を取り入れ、さらに進化を続けている。「一般にテープはデータの書き込み速度がディスクより劣ると思われがちですが、圧縮技術などの活用により、データ転送速度が向上。ディスクと遜色ないパフォーマンスを発揮できます」(渡辺氏)。

 それを支えている代表的な技術のひとつがIBM社、Seagate Technology社とHewlett-Packard社(以下、HP)の3社が共同で開発したテープドライブ規格「LTO Ultrium」である。これは大容量、高速読み書きを目指したテープドライブ規格。「2000年8月に最初の製品が登場した第1世代の容量は2:1圧縮時で200GB(圧縮時最大)、最大転送速度は40MB/秒(圧縮時最大)でしたが、その後の技術進化により性能向上を続け、現在の第3世代の容量は800GB(圧縮時最大)、最大転送速度は160MB/秒(圧縮時最大)を実現しています。その後のロードマップも公開されており、第6世代では容量6.4TB(圧縮時最大)、最大転送速度は540MB/秒(圧縮時最大)のハイパフォーマンスを実現予定です」と渡辺氏はその特徴を説明する。

 しかも、Ultriumは現在主流の第3世代以降、データの改ざん防止に有効な「WORM(Write Once Read Many)」技術に対応している。WORMとは一度だけ書き込むことができ、消去や変更ができないメディア技術のこと。読み出しは何度でも可能だ。「これにより、データの上書きを防止し、コンプライアンスの課題に対応した安全な長期保存を可能にします。また、次世代のUltriumではデータのセキュリティを高めるための暗号化の機能が装備され、データ漏洩防止とメディアの紛失/盗難などからもデータ守ることが可能になります」(渡辺氏)。

hpstorage02.jpg <LTO Ultriumのパフォーマンスと開発ロードマップ>LTO Ultriumは2000年に登場した第1世代以降、進化を続けている。第4世代以降は今後市場投入される予定だ。すでに第6世代までロードマップが公開されており、今後も引き続き市場を牽引していく

 またUltriumと並び、標準的に利用されているテープドライブ規格に「DDS(Digital Data Storage)」がある。これは、もともとはソニーが開発した音声をデジタル化して録音・再生するオーディオ技術の「DAT(Digital Audio Tape)」をベースに、HPとの共同開発でコンピュータ用の記憶装置として応用したもの。テープ市場における出荷台数では圧倒的な数を誇る標準的な技術である。

 当初は「DDS(Digital Data Storage)」の名称で市場投入され、第4世代までソニーとの共同開発を行っていたが、2003年に市場投入された第5世代(容量72GB(圧縮時最大)、最大転送速度6MB/秒(圧縮時最大))以降はHPのみで規格化を行い、名称を「DAT」と変更し、第8世代(容量240から320GB(圧縮時最大)、最大転送速度16MB/秒(圧縮時最大))までのロードマップを公開している。「Ultriumと比べると容量、最大転送速度とも小さいですが、音楽のデジタル録音に利用されるDATの技術をベースに作られているため、記録メディアが安価に供給されています。データの重要度やコストバランスを考え、最適なテープドライブ規格を採用するといいでしょう」と渡辺氏はアドバイスする。

テープ関連製品を豊富に提供し、高度なテープバックアップを支援

 HPではこれらのテクノロジーに対応したテープバックアップ・ソリューション、テープメディアなどを豊富に開発・提供している。例えば、テープライブラリ・ソリューションとして「HP StorageWorks ESL eシリーズ」や「HP StorageWorks EML eシリーズ」などがある。HP StorageWorks ESL eシリーズは中・大規模のデータセンターにおけるSAN環境向け、一方のHP StorageWorks EML eシリーズは比較的小規模なデータセンターにおけるSAN環境向けに最適化されている。「いずれも高い性能と信頼性、拡張性を兼ね備えているのが特徴です」(渡辺氏)。

 また、UltriumやDATドライブを搭載したオートローダやライブラリ製品、自社ブランドのテープメディアによって、幅広いユーザにテープバックアップ環境を提供している。さらに、すべてのテープドライブにバックアップソフトウェア「HP StorageWorks Data Protector Express シングルサーバ版」を無償添付することで、購入後簡単に運用ができる環境を提供する。渡辺氏は「これらを組み合わせることで、コンプライアンスやDRを視野に入れた高度なテープバックアップ・システムを構築できます」とそのメリットを説明する。

 繰り返しになるが、テープバックアップはバックアップ・システムの基本である。同時にデータ保護に求められる要件とコストバランスを満たす、最も現実的な手法である。ディスクとの併用で運用効率を高めたD2D2Tバックアップや、高い可用性を実現するリモートデータレプリケーションなど、より高いステージのバックアップ・システムへの移行を図るにも、テープバックアップの基盤環境や運用管理体制が確立されていなければ実現できない。「企業経営にバックアップが不可欠となっている今こそ、自社のバックアップ環境を見直し、基本に立ち返る必要があるでしょう」(渡辺氏)。HPでは今後もテープをはじめとする各種バックアップの技術革新を進め、企業のIT活用を強力に支援していく。


渡辺氏へのインタビュー内容を動画でご覧いただけます。
渡辺氏へのインタビュー(オンラインセミナー形式)
http://bit.sbpnet.jp/online/hp060807/

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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年10月31日