ベンダーを操り操られ、システム管理者の「駆け引き」女性システム管理者の憂鬱(4/4 ページ)

» 2007年02月23日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]
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わたし:「先ほどはアドバイスありがとうございました。今回特別に対応してくれるそうです。部長によろしくとも言ってました」

部員:「でしょう? 営業的な話を出せばわりとすぐに対応してもらえるんですよ。よかった、よかった。融通利くじゃない、あの担当も」

 一挙にメーカーの担当者の株も上がったようだ。送られてきた駆除ツールを社内で検証し、多少の不具合の報告を入れ、再度修正してもらい、また検証する、といった作業を何度か経て、無事に駆除ツールが社内へ公開され、ウイルス騒動も終息に向かった。

 数日後、そのメーカーのサイトを確認すると例の駆除ツールが公開されていた。うちに特別に提供されたものではなかったらしい。と、そこで、もしかしてという悪い予感が頭をよぎる。こちらが大規模ユーザーという切り札をちらつかせたのと同じように、向こうも社内の決まりごとを利用して、「それさえも犯して特別対応しました」と、自社の評価を上げる材料としたのではないか。

 それに気を良くしたわたしは検証作業の手伝いまでしてしまった。うまく操ったつもりが、うまく利用されていたのでは・・・・・・。まさにキツネとタヌキの化かしあい。自分の脇の甘さにショックを受けながらも、「この仕事なかなか面白いんじゃない」と新たな仕事の魅力に気付かされたのだった。

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