企業のスマートフォン活用が本格化――インテリシンク調べ

企業向けモバイルサービスのインテリシンクによれば、スマートフォンの端末管理機能やセキュリティ対策を求める企業が増えているという。

» 2008年02月07日 09時01分 公開
[ITmedia]

 企業向けモバイルサービスのインテリシンクは2月6日、パートナー向け説明会を都内で開催し、スマートフォンなどモバイル機器に対する企業の利用意向の状況を紹介した。

 汎用OSやフルキーボードを搭載するスマートフォンは、フルブラウザや電子メール、業務アプリケーションをPCと同じように利用できる。このため、近年は情報漏えい対策から社外への持ち出しが制限されつつあるノートPCに代わるデバイスとして注目されている。

 同社は2007年秋に、一般企業の情報システム担当者などを対象にスマートフォンなどのモバイル機器の利用意向アンケート調査を実施した。まず、最も関心の高いソリューション(有効回答159件)では、電子メール利用が26%、スケジュール管理が19%となり、コミュニケーションや情報共有への関心の高さが分かった。セキュリティとVoIPがそれぞれ18%で続き、モバイル機器の安全な利用や、企業のIPネットワークに組み込んでの利用にも関心が高いことが判明した。

企業で導入しているモバイル機器の種類

 導入時に重視する項目の質問(同156件)では、セキュリティが28%で最も高く、続いてグループウェア連携が22%、価格が19%、多様なアプリケーションへの対応が15%となった。モバイル機器をPCと同様に情報システムの一部としてとらえている様子がうかがえた。また、社外で利用しているモバイル機器の種類(同101件)では、一般的な携帯電話が38%、ノートPCが36%で回答全体の大部分を占めたが、スマートフォンも21%に達した。

 モバイル機器で利用しているネットワークのセキュリティ対策(同65件)では、SSL VPNが32%、IP VPNが25%となったが、セキュリティ対策を実施していないとの回答も17%あった。また、端末側のセキュリティ対策(同68件)では、遠隔からの操作禁止(リモートロック)が34%で最も多かったものの、対策を実施していないとの回答も33%に上った。

モバイル機器でのセキュリティ対策がまだ十分ではないことが明らかとなった

 同社が推計した2007年のスマートフォン国内累計出荷台数は約130万台で、2008年は前年比2倍強の約300万台を見込んでいる。井手龍彦副社長は、「スマートフォンの利用拡大から、端末の管理やセキュリティ対策を整えた上でさまざまなビジネスアプリケーションの利用を検討する動きが広まっているようだ」と話した。

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