沖縄県北谷町、VMwareで住民情報システム構築<update>

沖縄県北谷町役場は、VMware製品で仮想PC型シンクライアント環境の住民情報システムを構築。住民情報を管理する基幹システムも仮想化し、セキュリティレベルの高いシステム構築を実現した。

» 2008年10月07日 08時20分 公開
[ITmedia]

 沖縄県北谷町(ちゃたんちょう)役場は、新しい住民情報システムをデスクトップ環境を集中管理できる「VMware Virtual Desktop Infrastructure」(VDI)を用いて構築した。ヴイエムウェアが10月6日に発表した。

 北谷町は住民情報システムの入れ替えに伴い、VMwareの仮想化ソリューション「VMware Infrastructure 3」(VI3)を採用。既存のシステムを改修せずにサーバを仮想化するとともに、クライアント側もVDIによってシンクライアント化した。

 新システムでは、データベースサーバやアプリケーションサーバのほか、PDC(プライマリドメインコントローラ)およびパッチサーバなど5台を仮想化。さらにクライアント用に51台の仮想マシン(Windows XP SP2)を作成、それらを7台のブレードサーバに集約した。ブレードサーバはクアッドコアXeonを2個搭載する日立製作所のBlade Symphony BS320を採用、データはSAN構成の共有ディスクに格納されている。

北谷町の住民情報システムとシンクライアントのシステム構成図(出典:ヴイエムウェア)

 本庁舎と出先機関を仮想デスクトップ型シンクライアントでつなぎ、情報漏えい対策も強化した。クライアントPCにデータを保存しない仕組みのため、データの持ち出しを防げる。

 また、出先機関の1つにはバックアップサーバを設置し、ディザスタリカバリ体制も構築した。本庁舎のサーバ室が災害に遭った場合も、業務停止が最小限で済む。

 北谷町役場総務部情報政策課の多和田滿夫課長は「いままではPCにデータをコピーして持ち歩いていた。新しい環境では公民館から地域イントラネットに接続するとセキュアにPCを使える。コストを掛けずにセキュリティを確保するという自治体が持つ課題に対し、VI3によるサーバとデスクトップの仮想化はこれらに大きく貢献する」と発表文内でコメントしている。

 北谷町役場では、従来から利用していた日立情報システムズの電子自治体ソリューション「ADWORLD」の入れ替えに合わせ、クライアントPCの情報漏えい防止対策としてシンクライアントの導入を検討していた。カスタマイズとコストを最小限に抑えられるとしてVDIを選択した。

 今後、今回は仮想化環境にしなかった財務会計システムを、VI3で仮想化することも検討しているという。

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