JR九州、基幹システムをオープン系に移行 SOAでICカードとの連携も

JR九州は、TCOを最大50%削減する新基幹システムの稼働を開始した。SOA基盤も取り入れ、2009年に導入するICカードのサービスとのシステム連携も実現していく。

» 2008年10月14日 12時18分 公開
[ITmedia]

 九州旅客鉄道(JR九州)は、メインフレームをオープンシステムに移行し、TCO(総所有コスト)を最大50%削減できる新基幹システムの稼働を開始した。システムの構築を担当したNECが10月14日に発表した。

JR九州の新基幹システムの構成 基幹システムにおけるハードウェアおよびソフトウェアの構成

 約2万本のプログラムが動作する大規模なメインフレームをオープンシステムに移行した。具体的には、メインフレーム2台をNECのサーバ「NX7700iシリーズ」など16台に移行。システムの運用管理や更新に掛かるコストを従来のシステムと比べて、最大50%削減できる。約40%の省電力化と約90%の省スペース化も実現したという。

 メインフレーム系のシステムで動作する業務アプリケーションもオープンシステムに移行。JR九州、JR九州システムソリューションズ、NECがテストを実施し、決算処理を2時間短縮できるようにするなど、処理性能を向上させた。

 新システムには、NECのサービス実行基盤「WebOTX」も取り入れた。JR九州は駅ビルテナントの売り上げ増加などを狙いとし、ICカード乗車券「SUGOCA」を2009年に導入予定。2010年には、北部九州地区の私鉄や地下鉄、バスなどのICカード乗車券との相互利用も計画している。WebOTXにより、SOA(サービス指向アーキテクチャ)によるシステムの構築が可能となったことで、こうしたサービスを提供できるシステム基盤を柔軟に構築できる。

 JR九州は、経理、営業、人事情報といった基幹システムについて、メインフレームを中心に15年以上使用していた。ハードウェアの維持コストの上昇や、稼働するアプリケーションの制約が課題だったが、オープンシステムへの移行でこれらを解決した。運輸情報や社員情報を扱う情報系システムとも連携できるようになった。

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