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ニュース解説 ローソンがForce.comを採用:新たな戦いが始まった流通のIT活用

社内の情報基盤をオンプレミス(自社運用)からクラウド利用へ全面移行したローソン。流通業界はこれまでにも増してIT活用が企業競争力の決め手になりそうだ。


 ローソンが社内の情報基盤をクラウド型のプラットフォームサービス「Force.com」上に全面移行した。サービスを提供したセールスフォース・ドットコムが4月14日に発表した(ニュース記事)。

 ローソンが従来、社内の情報基盤として利用していたのは「Lotus Notes」。一世を風靡したグループウェアからPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)の代表格であるForce.comへの全面移行は、IT利用形態の新旧の入れ替わりを象徴している。

 このニュースを発表したセールスフォース・ドットコムにとっては、コンビニエンスストア大手のローソンがForce.comを採用したことで、流通業界へのアプローチに一層拍車がかかるだろう。

 ローソン側からの同時発表がなかったのは、同社にとってはForce.comの上で展開する社内外へ向けてのサービスが肝心との思いがあるからではないかと推察する。

 その思いは、発表文の中で紹介されているローソンの横溝陽一 常務執行役員 CIO ITステーション・ディレクターの次のようなコメントからも読み取れる。

 「“マチのコンシェルジュ”として、お客様に選ばれるローソンになるためには、マーケットの変化、消費者ニーズの変化に、柔軟かつスピーディに対応することが不可欠だ。この経営課題に対応するためには、従来のオンプレミス型のシステムでは時代遅れ。世の中は、さまざまなところで磨かれたアイデアを柔軟に組み合わせることができるForce.comのようなクラウドコンピューティングに、確実にシフトしていく」

 今回、ローソンがForce.com上で稼働させたのは、まずは従来と同様の情報管理環境を移行した形とみられるが、今後は同社ならではの次世代ITシステムの構築を図っていく構えだ。

 ローソンがこうした取り組みに打って出た背景には、流通業界でのIT活用がますます重要度を増してきたこともありそうだ。もともと流通業界は、POSシステムをはじめとしてIT活用への認識は高いが、さらなる活用に向けて新しい動きも出てきている。

 その象徴的な動きが、2月に発表されたセブン&アイ・ホールディングスとNECの「流通とITの協創」をテーマにした提携強化だ。今回のローソンの取り組みはアプローチこそ異なるが、将来、ITをどう活用していくか、という命題は同じである。

 ローソンの新浪剛史社長は、4月13日に更新した自社ホームページの社長メッセージで、2010年2月期の取り組みの第1番目に「ポイントカードと次世代ITシステムを活用し、個々の店舗に来られるお客様のニーズを満たす商品の品揃えを実現する」ことを掲げている。

 今回のローソンの取り組みは、いよいよ流通業界でもIT活用をめぐる新たな戦いが始まったことを示している。

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