ジュニパーが100GbEカードを発表、2010年に本格出荷へ

ジュニパーネットワークスは、100ギガビットイーサネットに対応した通信事業者向けのインタフェースカードを開発した。

» 2009年06月09日 18時57分 公開
[ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは6月9日、100ギガビットイーサネット(GbE)に対応した通信事業者向や大企業向けの物理インタフェースカード(PIC)を発表した。年内にユーザーテストを行い、2010年の本格出荷を計画する。

 開発したPICは、同社のハイエンド向けコアルータ「T1600」などに実装可能で、2010年初頭に策定される見込みの100GbEインタフェース標準「IEEE 802.3ba」に準拠する。社内テストでは複数の10GbEソースをループさせる仕組みで、64バイトのショートパケットを利用し、100Gbpsのラインレートを実現したという。

開発した100GbE対応のPIC

 米Juniper Networksでハイエンド製品プロダクトマーケティングを担当するルック・セーペンス副社長は、「映像アプリケーションの普及やLTE(3.9世代携帯電話規格)の導入、クラウドコンピューティングによってデータ利用がますます増え、100GbEへの対応は通信事業者やサービス事業者の至上命題になっている」と説明。今回のPICは、こうした課題に対処できる初の製品になるとしている。

 現在は10GbEなどのソースを複数束ねる(リンクアグリゲーション)ことで高トラフィックに対処する事業者が多いが、管理すべき接続装置や回線数が大幅に増えていることで、運用コストや管理の複雑化、サービス障害リスクの増加といった課題を抱える。同氏は、「100GbE環境に移行すれば直面する課題を解決できるだけでなく、将来的な大容量化にも容易に対処できるだろう」と話す。

セーペンス氏

 同PICは既存のラインカード「FPC-4」を使用できるため、T1600を導入済みの企業では開発したPICを追加実装するだけで100GbE環境を構築できるという。将来的には、少数の大規模データセンターで多数のユーザーからのトラフィックに対処できるインフラを実現するという。

 同社では2009年8〜12月期中に既存顧客でのフィールドテストを実施し、年内の発売を見込む。本格出荷は2010年4月以降になるとしている。想定価格について、セーペンスは「10GbE10本分よりもやや割安だが、最終的に6分の1〜7分の1程度にしたい」と話した。

 当初は、大規模通信事業者やコンテンツ配信プロバイダーでの利用を見込んでいる。

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