“ウルトラセブンのテーマ”で始まるキーノートMicrosoft PDC Day2

2日目のキーノートのテーマ曲は「ウルトラセブン」。日本人にはウケていたが、アメリカ人にはWindows“7”にかけたシャレだと伝わっただろうか……?

» 2009年11月19日 18時34分 公開
[下村恭(ハンズシステム),ITmedia]

 2日目は、驚きのキーノートで始まった。ウルトラセブンの主題歌(“セブン〜セブン〜”というアレ。)に合わせて、Microsoft Windows&Windows Live担当プレジデントのスティーブ・シノフスキー氏が登壇し、Windows 7の開発と今後の展望について語った。Windows 7に合わせてウルトラセブンとしたのだろうが、会場にいた日本人からは笑いが起こっていたが、会場の多くを占めるアメリカの参加者には、何のことか分からなかったに違いない。

 キーノートで紹介されたビデオによれば、Microsoftの開発部隊は過酷な状況の中で開発を続けているらしい。彼らの座っている椅子は、座面に針が仕込まれていたり、肘掛けに電流が流れたりする仕組みになっており、ユーザーがエラー送信画面を使ってクラッシュの報告をすると、関係者が痛い目に合うというのだ。

 これは実のところジョークなのだが、ユーザーから寄せられるエラー情報(テレメトリ)は、開発現場でとても役に立っているという。例えば、Windows 7のβ版で集まったテレメトリデータを解析すると、ユーザーの55%がXGAサイズ(1024×768)の画面を使用していて、1900×1200の画面を使っているのは0.5%未満しかいない、というようなことが分かったそうだ。こうしたデータがWindows 7の開発に役立っている。

Windows 7β版のテレメトリデータから分かる、ユーザーの使用している画面サイズ Windows 7β版のテレメトリデータから分かる、ユーザーの使用している画面サイズ

 キーノートの中でシノフスキー氏は、Microsoftが手掛けた新しいノートPCを紹介し、PDCの参加者に無料で配布すると発表したことで、会場は大興奮となった。このノートPCは、Acerの「Aspire 1420P」で、同社が販売するものの改良版だ。Acer版とMicrosoft版の違いは、Acer版のCPUがCeleronなのに対し、Microsoft版ではCore2 Duo U2300になっていること、Acer版の搭載メモリが2Gバイトに対し、Microsoft版では4Gバイトになっている点だ。プリインストールされているOSも異なり、Acer版ではWindows 7 Home Premiumなのに対し、Microsoft版ではWindows 7 Ultimate 64bitとなっている。

 Office 2010もプリインストールされているが、リリースタイミングの関係でプリβ版(CTPより新しくベータより前のもの)となっている。実物を入手できなかったため、詳しい紹介ができないのは残念だが、PDCのサイトに詳細が書かれているので、気になる方は参照してほしい。

シノフスキー Microsoft版Aspire 1420Pを紹介するシノフスキー氏

 キーノートではこの後、コーポレイトバイスプレジデントのスコット・ガスリー氏が登壇し、Silverlight 4の新機能を説明。Office担当のカート・デルベーン氏にからは、Office 2010がベータ段階に入ったことが説明された。

 キーノートのあとは、1日目と同様に、ランチを食べなら行われるランチセッションを含めて5つのコマで、それぞれ11のセッションが行われ、忙しい日となった。

 2日目のすべてのセッションが終了した後、Big Roomでは、簡単な夕食を取りながら“Ask The Expert”が開催された。ここではその名の通り、エキスパートであるMicrosoft社員に直接質問をぶつけられるようになっている。ビュッフェスタイルで飲み物と簡単な夕食、それに丸テーブルにイスが用意されており、例えば“Windows Azure”や“ビジネスプロダクティビティ”などといったテーマによって、エリアが分かれていた。各エリアにはMicrosoft社員が待ち受けていて、熱心にディスカッションされていた。参加者にとっては、理解が足りないところを詳しく教えてもらえるいいチャンスとなっている。

Ask The Expertの風景。皆熱心に話し込んでいた Ask The Expertの風景。皆熱心に話しこんでいた

 驚きのキーノートで始まった2日目だったが、内容も盛りだくさんであった。キーノートで紹介されたSilverlight 4は、まさにスリースクリーンをまたがって活躍するテクノロジーといえ、1日目のキーノートでも語られたMicrosoftの「スリースクリーン&クラウド」戦略が根底をなしていることがよく分かる1日だった。

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