Adobe、iPad向け電子コンテンツ作成ツール「Digital Publishing Platform」を発表Appleの規約をクリア

出版社は「Digital Publishing Platform」を利用することで、InDesign CS5のコンテンツをObjective-CあるいはAdobe AIRを使って電子版に変換し、インタラクティブ広告を含むオンラインならではの要素を追加できる。

» 2010年06月02日 07時50分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Adobe Systemsは6月1日(現地時間)、電子コンテンツ作成ツール「Digital Publishing Platform」を発表した。iPadやAndroid向けの電子雑誌をCreative Suiteの技術を使って作成でき、掲載広告の分析サービスも付属する。年内にAdobe Labsで公開する予定だ。

 Adobeは出版大手のConde Nastと協力し、このツールを使ってiPad版「WIRED」を作成した。同コンテンツの6月号は現在、米AppleのApp Storeから4.99ドル(600円)でダウンロード購入できる。

 Adobeは、Appleの開発者向けSDK利用規約に対応してiPadおよびiPhone向けのコンテンツ作成を可能にするためにObjective-Cでの開発を可能にしたが、Android、Windows、Linuxの開発者向けにAdobe AIRを利用してFlash技術を活用することもできるようにした。

 Digital Publishing Platformでは、同社の組版ソフト「InDesign CS5」で紙の雑誌用に作成したデータを電子コンテンツに変換できる。コンテンツはマルチタッチ対応にでき、音声や動画、スライドショーなどを追加することも可能だ。また、インタラクティブな広告を掲載し、広告へのアクセスデータのレポートを入手できるサービスも用意されている。

 Digital Publishing Platformは無料で提供する予定だが、利用するにはInDesign CS5またはCreative Suite CS5が必要。

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