Apple決算、iPhoneが好調で純利益倍増の過去最高業績

Appleの1〜3月期の業績は前期に続いて過去最高の増収増益だった。Verizonも販売を開始したiPhoneの販売台数が倍増したが、iPadはiPad 2の供給不足などで前期よりも伸びなかった。

» 2011年04月21日 07時04分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Appleが4月20日(現地時間)に発表した2011年第2四半期(1〜3月期)決算は、iPhoneおよびMacの売り上げが好調で、四半期ベースで過去最高の売上高、純利益となった。売上高が前年同期比83%増の246億6700万ドル、純利益は同95%増の59億8700ドル(1株当たり6.40ドル)と、同社が前期に発表した見通し(売上高が約220億ドル、1株当たり純利益が4.90ドル程度)およびThomson Reutersがまとめたアナリスト予測(売上高が233億4000万ドル、利益が1株当たり5.36ドル)を大きく上回った。粗利率は41.4%と前年同期の41.7%をわずかに下回った。

 iPhoneの販売台数が四半期としての最高記録を更新した。販売台数は前年同期比113%増の1865万台で売上高は122億9800万ドル。米国では米AT&Tが独占販売してきたiPhoneを、2月10日から米Verizonも販売を開始している。iPhoneの企業での採用が拡大しており、Cisco SystemsをはじめとするFortune 500企業の88%がiPhoneを採用あるいは採用を検討しているという。

 iPad 2の米国での発売が同四半期後半の3月11日だったiPadの販売台数は前期比36%減の469万台で、売上高は28億3600万ドルだった。供給が需要に追いついておらず、また、有力市場である日本ではまだ発売されていない。

 Macの販売台数は376万台で、前年同期比では28%増、売上高は49億7600万ドルだった。iPodの販売台数は17%減の902万台で売上高は16億ドル。iTunes StoreやiPod関連サービスでの売り上げは16億3400万ドルだった。

 売上高を地域別で見ると、アメリカが87%増の93億3200万ドル、欧州が49%増の60億2700万ドル、日本が56%増の13億8300万ドル、アジア太平洋地域が151%増の47億4300万ドル、直営店経由が90%増の31億9100万ドルだった。

 病気療養休暇中のスティーブ・ジョブズCEOは発表文で「われわれはエンジン全開だ。1年を通じて全方位での改革を続ける」と語った。

 4〜6月期の見通しについては、売上高を約230億ドル、1株当たり純利益を5.03ドル程度と慎重な予測を示した。次世代iPhone(iPhone 5)の発売は9月以降になるとみられている。

 業績発表後の電話会見で東日本大震災の影響についての質問を受けたティム・クックCOO(最高執行責任者)は「第3四半期の日本市場での売り上げには大きな影響がないとみている。サプライチェーンに関しては、パートナーとのチームワークにより第2四半期は影響を受けなかったし、第3四半期も同様だと予測している」と語った。スティーブ・ジョブズ氏については、まだ療養中ではあるが、主要な戦略決定には関わっており、同氏は可能な限り早く復帰したがっているという。

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