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» 2012年06月14日 15時41分 UPDATE

「リアルタイム化」が求められるマーケティング活動と顧客対応

スマートフォンやソーシャルメディアの普及により「誰でもどこでも」情報発信できる時代、企業のマーケティング活動と顧客対応はリアルタイム化が進んでいる。

[山田竜司,ITmedia]

リアルタイム化する顧客対応

 「ギブソンのギターが完璧に修理されて戻ってきた! 担当者ありがとう」 「玄米プロテインは噂通りマズかった。大豆プロテインはイケる」――――スマートフォンとソーシャルメディアの普及により、消費者はWeb上に多くの情報を発信できるようになった。発信された数々の体験を、リアルタイムに近いスピードでマーケティングに活用している企業もある。以下では企業のマーケティング活動がどのようにリアルタイム化しているか、最新のサービスとテクノロジーを紹介しよう。

 ソーシャルメディアを活用し、リアルタイムにプロモーションする例はメジャーになった感がある。PCメーカーのデルはソーシャルメディア上で時間限定のセール情報をTwitterで配信(デル@DellConsumer_JP)、六本木のレストラン豚組はTwitterを見て来店した人に特別なメニューを用意(豚組@butagumi)など事例が数多く存在する。カスタマーサポートにもリアルタイムで積極的に取り組んでいる企業が多い。消費者が企業のソーシャルメディアアカウント向けにクレームをつぶやけば、すぐに反応してくれるアカウントも少なくない。ソフトバンク公式のカスタマーサービス用Twitterアカウント@SBCareはソフトバンク携帯電話、Yahoo!BBなどで困っているユーザーをTwitterで見つけ出し、自ら支援を申し出ている。

 無料のWebサービスもアクティブなサポートをし始めている。Q&Aサイト オウケイウェイヴが5月に開始したサービス『OたすK隊(お助け隊)』だ。ユーザーが質問したいこと(「空はなぜ青いか」など)をTwitter経由で「OたすK隊(@OK_otasuktai)」に投稿すると蓄積されたQ&Aの情報の中から回答を見つけ出して返信してくれる。レスポンス時間は、現状2分〜20分程度。オウケイウェイヴ広報室は「きちんと調べるほどではないという、気軽な疑問に答える仕組みを作りたかった」と話す。

photo OたすK隊

 消費者が判断するのはアカウントの企業が著名かどうかではなく、いかに迅速かつ誠実に対応したかどうかだ。企業アカウントのカスタマーサポートはファンを作り、顧客とのエンゲージメント(入れ込み具合)を高める可能性がある一方、他の企業アカウントよりサービスが悪いとマイナスのイメージを与えてしまうなど、武器にも凶器にもなり得る。

市場傾向や顧客の生の声をすぐに確認

 ソーシャルメディアの口コミ情報を分析して現在流行のキーワードやトレンドを確認し、リアルタイムにプロモーション戦略を練り直すことも現在では比較的低コストで可能になってきている。ユーザーローカルはTwitterアカウント、Facebookページ両方で、指定したキーワードの発言数だけではなく、そのキーワードが出てきた発言者の文脈を確認できるサービス「Social Insight」を提供している。さらにキーワードがネガティブかポジティブか判定できる機能や競合企業のソーシャルメディアアカウントをチェックする機能もある。これらの基本機能は無料で利用できる。

 また、ソーシャルリスニングツールを扱うホットリンクはソーシャルメディア傾聴の新しい使い方を提唱している。現在一部の顧客に提供を開始している「クチコミ@係長 for リスニング」は、ソーシャルメディア上で発信されたユーザーの生の声を、マーケティング部以外の部門や経営層にも簡単に共有できるサービスだ。顧客の生の声を経営層が容易に確認できる環境を作り、経営戦略を迅速に策定、イノベーションを起こす一助になることが目標だという。

photo クチコミ@係長 for リスニング

リアルタイムで顧客との会話を分析、予測することも可能に

 iPhoneのSiriやandoroidのIrisなどで有名になった音声認識サービスを活用し、顧客の会話を予測するコールセンター向けのテクノロジーが開発されている。コールセンターソリューションを提供しているNICEのテクノロジーはリアルタイムで顧客との対話を分析、管理することが可能だ。コールセンターでの対話発生時から、顧客が発する言葉を解析し、会話の流れの一部をオペレーターがリアルタイムに予測できるようにした。

 他社通信キャリアへの乗り換えを検討している携帯電話ユーザーを例に考えてみよう。この機能を使うと、他社への乗り換えを検討しているユーザーがコールセンターに電話をした場合、会話の音声を音のままリアルタイムに分析、過去の分析データをベースに傾向を浮かび上がらせる。オペレーターはシステムが提案してきた顧客の不満を払拭するような行動をそのまま顧客に行えばいい。新人のオペレーターであっても適切に行動できる。同機能で、マーケティング部門とカスタマーサービス部門とのギャップ解消を狙う。

photo リアルタイムで顧客との対話を分析

 NICEの日本法人、ナイスジャパン代表取締役の小倉淳氏は 「リアルタイムで顧客との対話を分析できるというユニークな機能は、コールセンターをプロフィットセンターに変える起爆剤にできる」と自信をのぞかせた。

まとめ

 テクノロジーの進化により顧客は企業に対し迅速な対応を期待している。この状況を「コストがかかるので大変だ」と解釈するか、「顧客にリーチしやすくなった」と考えるかでファンを増やし成長できるかどうか、明暗が分かれるだろう。

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