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» 2013年04月09日 18時40分 UPDATE

Oracle CloudWorld Tokyo Report:「IBMではなくAmazonが競合に」――米Oracle・エリソンCEO

クラウドをテーマにしたカンファレンス「Oracle CloudWorld」が都内で開催。Oracleのラリー・エリソンCEOが自らクラウド戦略を語った。

[伏見学,ITmedia]

 日本オラクルは4月9日、都内のホテルにおいてプライベートカンファレンス「Oracle CloudWorld Tokyo」を開催した。オープニングの基調講演は、米Oracleのラリー・エリソンCEOが米国からライブ中継で登場。昨年来、同社が積極的に推し進めているクラウドサービスの価値を改めて聴衆にアピールした。

 CloudWorldとは、Oracleが全世界を舞台に開催しているクラウド関連のツアーイベント。2013年1月のドバイ(アラブ首長国連邦)を皮切りに、ロサンゼルス(米国)、シドニー(オーストラリア)、ムンバイ(インド)などを経て、今回の東京が7カ所目となる。中でも「ラリー・エリソンが登場するのはこの東京だけだ」と、日本オラクルの遠藤隆雄社長は冒頭の挨拶で胸を張った。

クラウドは電気やガスと同じ

米Oracleのラリー・エリソンCEO 米Oracleのラリー・エリソンCEO

 そのエリソン氏が語るに、今やクラウドは、「電気や水道、ガスと同じようなユーティリティモデル」なのだという。ユーザーは自らソフトウェアやサーバ、ストレージ、ネットワークなどを購入したり、管理したりする必要はなく、使いたいサービスを月額払いで利用できる。また、リソースは需要に応じて柔軟に拡張可能である。

 そうした中、Oracleが現在提供するクラウドサービス「Oracle Cloud」は、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)、IaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)という3つの形態を包括するのが特徴だ。

 SaaSでは、人材管理や財務管理、プロジェクト管理など100種類以上のアプリケーションを提供する。同日には、顧客対応に必要な業務要件の管理などを自動化してカスタマーエクスペリエンス向上を図るアプリケーション「Oracle RightNow Cloud Service」が発表されるなど、次々にサービスを拡張している。

 クラウドだけでなくオンプレミスなど既存システムのアプリケーションも利用したいというユーザーの要求に対しては、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の技術を用いてクラウド環境とオンプレミス環境を統合し、それぞれのアプリケーションを容易に連携させることが可能だという。

 PaaSでは、共通となるインフラ上でDBやWebスクリプティング、モバイル、分析などのプラットフォームサービスを提供する。そのインフラ基盤となるのが、高速DBマシン「Oracle Exadata」やアプリケーションサーバ専用機「Oracle Exalogic」である。「これらのハイスペックなマシンによって、200社程度のインフラを支えることが可能。さらにインフラの共通利用によってより多くのユーザーが低コストで活用できるようになる」とエリソン氏は強調する。

Oracleの競合企業とは?

 IaaSは、企業のファイアウォール内でOracle Cloudを実現するといったイメージだ。インフラはユーザーのデータセンターに設置するものの、そのための設備投資、構築、運用、管理はすべてOracleが担当する。これによって、ユーザーはOracleのさまざまなアプリケーションやプラットフォームサービスをプライベートクラウド環境で実行できるようになる。加えて、プライベートクラウドとOracle Cloudの間でデータなどの行き来が容易であるため、バックアップや災害対策を目的とした導入ニーズもあるのだという。

 このようなクラウドサービスを本格的に展開したOracleにとって、新たな企業が競合として浮上してきた。これまで長らくアプリケーション分野では独SAP、サーバやストレージなどのインフラ分野では米IBMとしのぎを削り、共にIT業界をリードしてきた。しかし、クラウドビジネスにおいては、アプリケーションでは米Salesforce.ocm、インフラでは米Amazonや米Rackspaceといった企業が直接的な競合として位置付けられている。「ユーザーにとっては新たなサービスの選択肢が増える、好ましいことだ」とエリソン氏は力を込める。


 IDCが提唱する“第3のプラットフォーム”においても、既に主軸となっているクラウド。今後クラウドサービスがエンタープライズ領域で当たり前のように活用されていく中で、ベンダー各社の覇権争いにもますます拍車がかかることは間違いないだろう。

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