山崎製パン、統合基幹システムをSOA基盤上に刷新導入事例

分散稼働していた基幹システムをSOAによる基盤上で刷新。各工場の業務に応じて設計されていたシステムを整理し、全データの一元管理・利用を可能にした。

» 2013年05月07日 16時42分 公開
[ITmedia]

 山崎製パンが富士通と共同で、受注から請求までの基幹業務を強力に推進する「ヤマザキ基幹システム」を刷新し、稼働を開始した。両社が5月7日に発表した。

 山崎製パンは、30年にわたって工場ごとのホストで分散稼働していた基幹システムを、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の基盤上で刷新し、各システムのデータ連携や全社的なシステムとして全体最適を行った。これまで各工場の業務に応じて設計されていた受注、発注、物流、売上・請求システムを、データの属性や処理の流れなどプロセスから整理し、今後のビッグデータ活用に向け、全データの一元管理・利用を可能にしている。SOA基盤には、システム間のインタフェースの違いを吸収し、さまざまなサービスやシステムと柔軟に連携できる、富士通のエンタープライズサービスバス製品「Interstage Service Integrator」を採用した。これにより、「ヤマザキ基幹システム」の機能追加や、関連会社などの関連システムとの連携が容易となるという。

 また、山崎パンでは構想中のプライベートクラウド「ヤマザキクラウド」を見据え、業界標準・柔軟性・拡張性を考慮し、システムIT基盤「ヤマザキ標準基盤」を開発した。今後、この基盤を関連システムや、グループ全体へと拡大することで、グループ全体で使用する「ヤマザキクラウド」の確立を目指す。

 今回のシステム刷新により山崎製パンは、各業務の効率向上だけでなく、リアルタイムに現場情報の把握ができるなど、経営判断に必要なあらゆる情報の見える化を実現。基盤統合やSOA、XML形式データの採用により、業務の変化に柔軟に対応できることから、環境変化に伴う運用負荷の軽減、統合基盤上でのシステム改修や新規開発が容易になり、運用コストの40%低減が可能になるとしている。

将来のイメージ

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