NECが新技術、データセンターの空調電力を最大50%削減に

NECが「多段式高効率冷却技術」を開発した。ICT機器内に搭載している「相変化冷却技術」をラックに応用したという。

» 2013年09月03日 13時24分 公開
[ITmedia]

 NECは9月3日、データセンターの空調電力を最大50%削減できるという「多段式高効率冷却技術」を開発したと発表した。同技術の実用化に向けた開発を進め、ICT機器やシステムの省電力化、効率的なデータセンター運用の実現を目指すとしている。

 新技術は、同社が以前から開発してきた「相変化冷却技術」をラックに応用したもの。相変化冷却技術は、冷媒が液体から気体に変化する際に熱エネルギーが移動する性質を利用して冷却するもので、エネルギー変化量が大きく高効率な冷却が可能という。

開発した技術のイメージ

 多段式高効率冷却技術では機器から排出される熱を拡散する前に回収しつつ、直接屋外に輸送でき、サーバルーム内の空調負荷を大幅に削減できるとしている。ラックあたりの消費電力が12キロワットの場合、送風電力と冷凍機電力を合計した空調電力を最大50%削減できるとし、同社の施設で事件した結果、10台のサーバを搭載したラック背面から発せられる熱量のうちの約半分を屋外に熱輸送することを実証した。

 新技術をデータセンターに適用すれば、空調での負荷を増やすことなく、ラックに実装可能なICT機器を大幅に増せる。フロア面積を拡大することなく、データセンターの処理能力を大幅に向上させることが可能だとしている。

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