2012年のビジネス解析ソフト市場は8%成長、ビッグデータの投資意欲が追い風に

IDCによれば、DWHマネージメントプラットフォーム市場やBIツール市場、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場など全てのセグメントで好調に推移した。

» 2013年10月09日 17時12分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは10月9日、国内ビジネスアナリティクス(BA)ソフトウェア市場予測を発表した。これによると、2012年のBAソフトウェア市場規模は1514億3700万円となり、前年比8.0%増となった。

 セグメント別にみると、データウェアハウス(DWH)マネージメントプラットフォーム市場の売上額は前年比8.1%増の605億4600万円、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール市場が同7.9%増の443億3700万円、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場が同7.2%増の377億6300万円、位置/空間情報分析ツール市場が同10.5%増の69億3000万円、コンテンツ分析ツール市場が同20.0%増の18億6000万円となり、全てのセグメントで好調に推移した。

 IDCは、企業が中期的なビッグデータ技術の導入を視野に入れ、社内に存在する構造化データの有効活用から着手する現実的なアプローチでBAに取り組むケースの増加が好調の背景にあるとみる。DWHシステムやレポーティングシステムの再構築につながったとし、また、海外への事業展開を含めた企業の成長戦略に寄与する投資分野であることへの認識の高まりも、投資が活発化する材料になったと分析している。

 2017年に予測される市場規模は2302億4700万円で、2012〜2017年の年間平均成長率は8.7%になる。セグメント別ではDWHマネージメントプラットフォーム市場が年間平均成長率8.1%の893億4100万円、BIツール市場が同8.7%の671億5900万、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場が同8.7%の572億9700万円になるとみている。

 ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの冨永裕子氏は、「BAソフトウェアベンダーには、事業部門主導で導入の進んだBIツール製品を特定部門だけの可視化の仕組みで終わらせず、IT部門も関与させた全社的な可視化プラットフォームとして変革させることが求められる。さらに、意思決定の迅速化に必要な機能を全社的な可視化の環境に統合し、アナリティクスプラットフォームに変革させることを支援することが求められる」とコメントしている。

国内BAソフトウェア市場 売上額予測:2012年〜2017年(出典:IDC Japan)

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