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» 2013年10月10日 20時38分 UPDATE

ITpro EXPO 2013 レポート:IT業界のベテラン記者はこのメガトレンドをどう見るか

現在開催中の「ITpro EXPO 2013」。2日目の特別対談セッションでは、IT業界で長年にわたり取材活動を続けているメディアのキーパーソンが昨今のITトレンドを解説した。

[伏見学,ITmedia]

 日経BPが主催するITカンファレンスイベント「ITpro EXPO 2013」が10月9日〜11日の日程で、東京ビッグサイトにおいて開催中だ。10日午後にメインシアターで行われた特別対談では、日経BPイノベーションICT研究所所長の桔梗原富夫氏と、アイティメディア エグゼクティブプロデューサーの浅井英二氏が、「2014年のITトレンド大予測」と題して、ビッグデータやクラウドの今後を占った。

日経BPイノベーションICT研究所所長の桔梗原富夫氏(左)と、アイティメディア エグゼクティブプロデューサーの浅井英二氏が対談 日経BPイノベーションICT研究所所長の桔梗原富夫氏(左)と、アイティメディア エグゼクティブプロデューサーの浅井英二氏が対談

 対談のテーマは、以下の3つ。

  • スマートフォン/タブレットとソーシャル
  • ビッグデータ分析
  • クラウドファースト

 スマホおよびタブレットについて、企業における活用が広まりつつあると桔梗原氏は説明。それに応じるように浅井氏も、「PCからモバイルデバイスへと情報ツールが切り替わっている。まさにその過渡期にある」と言及する。携帯電話(ガラケー)も90年代後半ごろからビジネスシーンで使われてきたが、電子メールやスケジュールのチェック、簡単なワークフローの承認など限定的で、業務アプリケーションを利用するためにPCを持ち歩く必要があった。桔梗原氏は「スマホで業務アプリを使い始めている企業もある。タブレットにはキーボードも装着できる。もはやPCとの境目がなくなりつつある」と強調した。

 ソーシャルに関しては、まだ日本企業は二の足を踏んでいる状態だという。しかし、個人ユースでは確実に浸透しており、情報の取り方に対する考え方が変化してきている。桔梗原氏は「リアルタイム」と「双方向性」をキーワードに、次のようにコメントした。

「従来の電子メールとは異なり、ソーシャル上ではすぐに返信しないと相手の満足を得られない。情報はタイムラインで管理し、動画や写真なども簡単に複数人とシェアできる。こうしたコミュニケーションの発想は今後企業でも広がっていくのではないか」(桔梗原氏)

SIerのノウハウは生き続ける

 ビッグデータにおいては、技術進展が企業のIT部門の取り組みを大きく変えた。これまでも企業では顧客情報や売り上げ情報などの構造化データを扱ってきたものの、CPUパワーやストレージ容量など、システム側の制約があり、収集したすべてのデータを有効活用できていなかった。「今では膨大な生データを捨てずに分析して、ビジネスに役立てられるようになった」と浅井氏は述べる。

 非構造化データについてはどうか。現在、ソーシャルデータをビジネス活用する企業はさほど多くはないものの、分析技術などが追いついてきており、今後、ソーシャルデータやセンサデータの活用は加速するとしている。

「21世紀の天然資源はビッグデータだと言う人もいるほどだ。今までは過去のデータを分析対象としていたが、これからはリアルタイムで今起きていることを解析できるようになるはず」(浅井氏)

 クラウドについて、桔梗原氏は「システム構築の案件が減っていく中、クラウド時代にSIerはどう生き残るのか」と問題提起。それに対して、「これまで培った高いサービスレベルでの運用などのノウハウが大きな武器になる」と浅井氏は力を込める。既存のオンプレミスシステムとクラウドサービスをシームレスに統合するなど、まだまだ活躍の場は多いとする。

クラウド市場にビッグベンダーが相次ぎ参入

 最後に、両者が2014年に注目したいポイントを紹介した。桔梗原氏は、VMwareやMicrosoftといったソフトウェアベンダーがIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)の提供を開始している動きに着目。「たとえソフトウェアのビッグカンパニーであっても、ITの最先端を行くクラウドの世界でイニシアティブがとれないと、今後は厳しい競争を強いられる。この動きはますます加速するだろう」と語った。

 浅井氏は、これまでのITの歴史を振り返り、クラウドの世界にも必ず標準化の波が訪れるという。既にIaaSでは、オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」が、PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)では、OASISの「TOSCA」(Topology and Orchestration Specification for Cloud Applications)が標準仕様となっている。「ユーザー企業もロックインを嫌い、標準化を強く求めている」とした。

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