統計数理研究所、「データ同化スーパーコンピュータシステム」を構築へ

「ビッグデータを活用したデータ中心科学研究」のための新たなスパコンには、SGIのシステムが採用された。

» 2013年11月18日 17時25分 公開
[ITmedia]

 情報・システム研究機構の統計数理研究所は、「データ同化スーパーコンピュータシステム」を新たに構築し、2014年第2四半期に稼働開始する予定だ。同システムを受注した日本SGIが発表した。

 データ同化とは、気象学や海洋学など地球科学の分野で膨大かつ多様な観測・計測データおよび高度なシミュレーションモデルを統合し、実際の現象の再現性を高めるデータ中心科学の要素技術になる。データ同化計算を行うコンピュータシステムには、さまざまな分野で開発されたシミュレーションモデルがプラグインされ、統計的データ解析用プログラムの開発が容易な開発環境と大規模なアプリケーションの最適な実行に必要となる広大なメモリ空間が求められるという。

 今回、統計数理研究所が構築するデータ同化スーパーコンピュータシステムは、SGIの大規模共有メモリ型サーバ「SGI UV 2000」を中核とした製品群で構築される。ビッグデータを活用したデータ中心科学研究のための共同利用計算基盤として、統計科学の研究コミュニティをはじめ、統計科学的手法を必要とする各分野の研究者や産業や行政の実務者に活用される。また、全国の主要な大学・研究機関が保有するスーパーコンピュータを高速ネットワークで結んだ共同計算環境「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」の計算資源としても提供されるという。

 システムは、2台のSGI UV 2000により合計5120プロセッサコア、128テラバイトのメモリの大規模計算機環境となる。また、水冷方式の冷却システムを採用し、省エネルギーにも配慮する。システム管理用の「SGI UV 20」や、クラスター型分散メモリシステムとしてインテル Xeon Phi コプロセッサーを搭載した「SGI Rackable Standard-Depth Server」も採用され、外部記憶装置にはSASとSSDを併せて816テラバイトの物理容量を持つ大規模なストレージシステムが導入される。

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