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» 2014年01月15日 08時00分 UPDATE

情シスの横顔:頼られるテクニカルスペシャリストを目指す 日産自動車・吉田さん

「オープンソースを極めたい」と語る日産自動車 グローバル情報システム本部の吉田さんは、周囲の優秀な上司や先輩らに刺激を受けながら、同社のIT担当者として不可欠な存在になっていく。

[伏見学,ITmedia]

企業のIT部門で活躍する方々を追ったインタービュー連載「情シスの横顔」のバックナンバー

 自動車メーカー大手、日産自動車が掲げる中期経営計画「日産パワー88」では、2016年度末までに、売上高営業利益率およびグローバル市場占有率を8%にまで高めることを目指している。この目標達成に向けて経営の一翼を担うのが、同社のIS部門である。

 2009年4月、日産自動車に新卒で入社した吉田高明さんは、グローバル情報システム本部に配属となり、現在は 同本部 ISアーキテクチャー部の若手ホープとして奮闘する日々を送っている。

日産自動車 グローバル情報システム本部 ISアーキテクチャー部の吉田高明さん。大阪府出身 日産自動車 グローバル情報システム本部 ISアーキテクチャー部の吉田高明さん。大阪府出身

 同社のグローバル情報システム本部には約300人の社員がおり、R&D(研究開発)、SCM(サプライチェーンマネジメント)、M&S(マーケッティング&セールス)、GRM(グローバルリソースマネジメント)、セールスファイナンス、テレマティクス、などの業務アプリケーション開発、インフラストラクチャなどのチームに分かれている。

 吉田さんは入社後、1年間の部門研修を経て、ITインフラの設計および構築を手掛けるチームに入った。そこでは、新たな共通プラットフォームを構築するためのプロジェクトに参画していたという。元々、日産自動車ではサイロ化したシステムを統合するために、2007年7月に第1世代の共通プラットフォームプロジェクトをスタートさせていた。続いて、サーバ仮想化によるプライベートクラウドを構築すべく、第2世代のプロジェクトを2009年8月に開始、2010年末に本番環境で稼働することとなった。

 「当時は知識がない中で、いったい何が要求されていて、どこまで実現すべきかがつかめていませんでした。とにかく構築することばかりを考え、運用時の課題までに目が向いていませんでした。今思えばもっとケアできればよかったという反省があります」(吉田さん)

 このインフラ設計・構築チームで1年間経験を積んだ後、吉田さんはインフラの運用チームへ異動した。ここでは、社内ヘルプデスクの運用管理を担当したほか、グローバルを含めて全社で取り組んでいたWindows 7へのPC移行プロジェクトにもかかわった。対象となるPCは実に10万台以上だったため、移行の順序や配布方法などを細かく検討していたという。

週末に自宅でシステム構築を実習

 そして2年前からISアーキテクチャー部に所属し、Center of Excellence(CoE)の位置付けで働いている。このチームは、主にさまざまなプロジェクトに対する技術支援や情報ナレッジの提供を行うことで、プロジェクトの開発品質を高めるのを目的としている。マネジャーを含めて7人のプロパー社員がおり、それぞれが別々のベンダー製品を見ているという。吉田さんはOracleとRed Hatを担当している。

 最近かかわったプロジェクトの1つが、ESB(エンタープライズ・サービス・バス)の老朽化更新のため、ミドルウェア製品「JBoss SOA Platform」を活用してリプレースを行ったというプロジェクトである。「日産自動車ではオープンソースを積極的に使おうとする動きはあるものの、社内にナレッジがないため、設計チェックをしたり、対応方法をパートナーなどとともに検討したりしました」と吉田さんは振り返る。

 学生時代は情報科学を専攻していたとはいえ、ITスキルを磨くための勉強は不可欠だった。そこで吉田さんは週末などに自宅でJava EEアプリケーションサーバ「JBoss」を動かすためのシステムを構築して自分自身で動かしてみたり、専門スキルをもったエンジニアに教えてもらったりしながら、仕事で求められるITスキルを身に付けていった。

 日々の仕事に対しては楽しく向き合っていきたいと話す吉田さん。ITの分野が嫌いではないし、勉強するのも苦にはならない。業務の性質上、社内からさまざまな相談を受けて、その際にまだまだ知識不足で困ることもあるが、裏を返せば、彼らは助けてほしいから吉田さんを頼っているわけなので、解決に導くために自分ができることを精一杯やっていきたいという。

仕事のさじ加減が難しい

 さて、これまでいくつかのプロジェクトに携わる中、メンバーとしてプロジェクトを円滑にするために心掛けていたことはあるのか。

 吉田さんは「経験や知識の不足がネックになっていたので、分からないことはとにかく自分で調べたり、ほかの人に聞いたりするように心掛けていました」と話す。若手といえども、SIerから上がってきたシステム設計などをレビューする立場だったので、「分かりません」では許されない。自分が納得するまで先方にヒアリングをしたり、周囲の先輩社員の協力を仰いだりと、コミュニケーションを大事にしながらプロジェクトを進めていったという。

 一方で、人員は限られているので、すべてを他人に聞いていては物事が進まなくなってしまう。現在の課題は、どこまでを相談して、どこまでを自分の裁量でやっていいのかという、その境界線の見極めだという。

オープンソースを極める

 将来的に、吉田さんはテクニカルスペシャリストでありたいという。とりわけオープンソースの分野については技術を極めていきたいそうだ。「オープンソースに関する話はすべてこいつに聞けと思ってもらえるようになりたいです。各プロジェクトの課題点を適確に拾い上げて解決に結び付けられるような、頼られる存在になりたい」と吉田さんは意気込む。

 そうした中で、周囲にいる上司や先輩社員は今後のキャリアを考える上でモデルになるという。

 「技術に明るく、常に適確な判断を下します。先進的な情報もさまざまなところから収集してきます。そうした姿を見ると勉強になるし、見習っていきたいです」(吉田さん)

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