問い合わせページ、キモは「自己解決力」 JALカードが新システム導入

JALカードが、サイトのカスタマーサポート機能基盤を「Oracle Service Cloud」で刷新した。顧客満足度と運営担当者の業務効率が向上し、問い合わせメール件数が約40%減ったという。

» 2015年05月15日 15時55分 公開
[岩城俊介ITmedia]

 JALカードを発行するジャルカードが、JALカード関連の問い合わせ窓口システムをオラクルの「Oracle Service Cloud」で刷新。顧客満足度と運営担当者の生産性向上を果たした。

photo JALカードのWebサイト

 JALカードは日本航空(JAL)のマイレージシステム「JALマイレージバンク」機能のあるクレジットカード。会員限定ボーナスマイル、JALグループ商品の割引やカード付帯機能などの特典を設け、JAL利用者に向けた利便性を提供する。同社は顧客満足度をより高めるため、問い合わせ窓口における利用者の自己解決率の向上、そしてJALグループとしてさらなる統一感の醸成を図っていた。

 Webサービスにおいて、疑問がサイト内で解決できなければ、うまく探せなければ、客はWebフォームやメールなどから質問を投げて「問い合わせ」を行う。そもそも自己解決できなければ使いにくいと感じ、その段階で顧客満足度は落ちはじめている。窓口/カスタマーサービス担当者は、客の要求を満たす解決策を用意し、個別に回答対応する。Webベースの顧客対応の仕組みは、いつでも気軽に問い合わせできる半面、リアルタイム性や、客の心理状況を把握しにくい点などで電話や対面対応に劣る部分もある。満足のいく回答ができなかったり、回答までに時間がかかったりすれば顧客満足度は下がる。当然、相応の人的リソースも発生する。

 この課題解決のため、同社は「FAQランキング自動変換機能」や「検索補助機能」によって、そもそも「サイト内で解決・完結」できる機能とツールが必須と判断。すでにJALが導入し、運用実績があるOracle Service Cloudの採用を決めた。

 導入により、担当者はHTMLの技術的知識やそれにともなう開発作業の必要なく“Q&A集のためのコンテンツ作成と掲載”を容易に行うことが可能になった。また、作成したコンテンツを、客の問い合わせが多い質問や回答を優先度の高い順に自動で掲載する機能も有効だった。客は表示されるQ&Aの結果のみで多くを解決できるようになり、利便性の向上が果たせた。結果として、問い合わせメール件数が従来比で約40%減ったという。時間や手間、コストなど解決までの顧客対応リソースの削減に寄与し、顧客満足度と運営担当者の業務効率向上を同時に、さらにJALグループで統一した体制も実現できた。

photo JALグループの問い合わせ窓口

 このほか、各設問に対して関連する情報を包括的に提示するFAQ(Frequently Asked Questions)の設定も備えた。キーワード検索で、事前にあるコンテンツを抽出するだけでなく、関連すると予想されるコンテンツも幅広く一緒に表示するもので、客は求めていた解決策へより円滑にたどりつけるようになる。

 今後も効果測定を随時行いながら、推奨コンテンツの一部をサポートサイト以外のWebページに埋め込み、表示する「シンジケーション・ウィジェット機能」まで拡張し、さらに“情報を探しやすい”サイトを目指す考えだ。


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