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» 2015年06月10日 21時26分 UPDATE

“持たない”という選択肢:月980円、freeeが中小・税理士向けマイナンバー管理サービス

クラウド会計・クラウド給与計算のfreeeが、マイナンバー対応ためのクラウド型新ソフト「マイナンバー管理 freee」を発表。2015年冬の開始に向け、事前登録の受け付けをはじめた。

[岩城俊介,ITmedia]

 クラウド会計・クラウド給与計算ソフトを展開するfreeeは6月10日、クラウド上でマイナンバーを管理できる「マイナンバー管理 freee」を展開すると発表。事前登録の受け付けを開始した。2015年冬の開始を予定する。価格は月額980円(予定 給与計算freee利用の場合は無料)。

photo 「マイナンバー管理 freee」(2015年冬開始予定)

 2016年1月に制度開始、2015年10月より実務が始まるマイナンバー制度対応において、企業は制度の理解や実務準備のためのアセスメントから、制度対応のためのシステム改修、そしてマイナンバーの安全かつ正しい収集と管理、利用、廃棄における安全管理処置とその後の運用まで、多岐にわたる対応と準備を行っていく必要がある。ただ、専任の担当者を持たない中小規模の企業、そして企業が業務を委託する税理士や会計士にも大きな管理コストが発生する課題がある。制度開始まで約半年、自社のみで対応するには時間的猶予があまりない現状もある。

 マイナンバー管理 freeeはこれらの層に向け「本業に集中できる環境を実現する」ことを主眼に展開する。安全管理処置を万全にしたクラウド環境で一元管理する仕組みで、マイナンバー対応に必要な、番号の収集、保管、廃棄までマイナンバー管理 freeeに任せられる。企業や税理士はそもそもリスクのあるマイナンバーの取り扱いにおいて(監督義務こそあるが)“持たない”とする選択ができ、リスクや手間、発生コストも削減できることを大きなポイントとする。クラウド給与計算ソフト freeeと完全連携する機能も用意する。

 freeeは個人事業主の確定申告や中小規模法人の経理、給与事務、請求事務を中心に「自動化」と「バックオフィス最適化」を推進するクラウド型ソフト。これまでクラウド会計ソフト freeeとクラウド給与計算ソフト freeeの2軸を展開し、クラウド会計ソフトでトップシェア。登録事業所数で約30万件(2015年4月現在)を擁する。

photo 「マイナンバー管理 freee」のサービスロゴ

マイナンバー制度とは

 マイナンバー制度は、2013年5月24日に成立した「マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)」によって、複数の機関に存在する個人の情報が「同一の人の情報である」ことの確認を行うための基盤である。2016年1月に開始する。

 国民一人ひとりに固有の12ケタの番号の「マイナンバー」を割り当て、それに基づき国民の生活や収入など各自の事情に応じた行政サービスの迅速化を図る目的で導入される。主に(当初は)、社会保障制度(年金、医療、介護、福祉、労働保険)、税制(国税、地方税)、災害対策に関する分野に使われる。2015年10月5日よりマイナンバーが付番された通知カードが国民一人ひとりに届き、個々の申請手続きによって個人番号カードが交付される。

 利用機関は行政機関や自治体などだが、社会保障や税に関する帳票や届出への記載に必要な従業員のマイナンバー収集や以後の管理は個々の民間企業、ないしその委託先が担う。例えば、税分野では、税務当局へ申告する各企業が番号の収集と管理を行い、給与所得の源泉徴収票などさまざまな帳票へ記載する対応が必要となる。基本的には、すべての民間企業や団体が当てはまるものとなる。

 マイナンバーを含めた個人情報は「特定個人情報」と定義され、取り扱いが厳格に規定される。これまでの個人情報保護法では対象外(5000件以下)の事業者であっても、それを1件でも取り扱うならばマイナンバー法における「個人番号関係事務実施者」となり、規制の対象になる。罰則も個人情報保護法より種類が多く、法定刑も重くなっている。一例として、正当な理由なく業務で取り扱う特定個人情報を提供した場合「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」が科せられることがある。

 マイナンバーの取り扱いにおいて民間企業は「必要な範囲を超えて扱わない」「情報漏えいしないよう安全に管理する」「取り扱う従業者を教育、監督する」「委託先を監督する」などの義務や責務を負う。具体的にはマイナンバー制度の開始までに、マイナンバーの収集において厳格な本人確認を行うシステム、情報漏えい防止のための安全管理処置を講じること、そのための社内ITシステム改修やポリシーの制定、改訂を行っていく必要がある。データ保護の方法については、例えば「データの暗号化」や「パスワード保護」、そして「暗号鍵やパスワードの適切な管理」を行うようガイドラインで示されている。

 マイナンバー関連業務をアウトソースするにも、その委託先(その委託先の委託先も含めて)が適切かつ安全に管理、運用しているかを自社が監督する義務がある。漏えい事故が発生すれば、自社も罰則の対象になる。アウトソーシングサービスの選定も、マイナンバー法施行に対応した安全、確実な対応と対策手段を設けている事業者かを見極める必要がある。




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