第16回 使われないWindowsのアプリストア、何かメリットあるの?変わるWindows、変わる情シス(2/2 ページ)

» 2016年12月26日 08時00分 公開
[武藤健史ITmedia]
前のページへ 1|2       

Windowsストア上のアプリが「安全」な理由

 Windowsストアアプリを使うメリットの2つ目は「セキュリティ」です。Windowsストアにアプリを掲載するには、マイクロソフトによる厳重な審査を通過する必要があります。必ずWindowsストアポリシーの規則に準じている必要があり、違反するものについては一切通りません。金銭詐欺を目的としていたり、マルウェアが埋め込まれていたり、不正に個人情報を収集したりするようなアプリは、Windowsストア上にはないのです。

 また、Windows 10の「Device Guard(コード署名ベースの不正アプリ実行防止機能)」と組み合わせることで、業務端末をよりセキュアな環境にできます。

 全ての業務アプリをブリッジツールを用いて、Windowsストアからダウンロードできるようにし、Device GuardでWindowsストアから提供されたアプリのみを実行可能にすることで、信頼できないWebサイトからダウンロードされたアプリや、なりすましメールによる標的型攻撃の対策にもなるのです。

photo Device Guardを使うと、信頼できないWebサイトからダウンロードされたアプリや不正なプログラムなどの実行を防ぐことができます

アプリの管理と展開を効率的に

 また、企業向けのWindowsストアを使うことで、管理者が許可したアプリのみをダウンロードさせることが可能になり、管理も楽になります。

 管理者が企業向けWindowsストアWebポータルにアクセスし(※Azure ADの管理者アカウントが必要)、展開するアプリを選ぶと、ユーザーがWindowsストアのアプリを起動した際に、そのアプリのみが表示されるようになります。企業向けWindowsストアのメリットは以下の4つが挙げられます。

  1. 組織専用のストア(プライベートストア)を構築可能
  2. ライセンスの再利用、再配布
  3. 請求書や注文書で有料アプリのまとめ買いが可能
  4. アプリの更新の自動化

 特にプライベートストアは管理者にとって非常に便利な機能になります。通常のWindows ストアと比較して、アプリやゲーム、ミュージック、映画とテレビのタブがなく、管理者が認めたアプリのみが表示されます。

photo プライベートストアは、アプリやゲーム、ミュージック、映画とテレビのタブがなく、管理者が認めたアプリのみが表示されます

 アプリの展開については、無償アプリと有償アプリでフローが変わりますが、どちらにせよ、アプリを入手してユーザーに展開することは容易です。Windowsストアは、企業の生産性やセキュリティを高める切り札になり得る機能です。“邪魔者”扱いせずにうまく使えば、管理者のアプリ展開や更新の負担も削減できるのです。

photo アプリの展開については、無償アプリと有償アプリでフローが変わります
動画が取得できませんでした
セッション「Windows ストアは業務の邪魔者? 〜企業向け Windows ストアを活用した最適なアプリ展開と管理手法〜」の動画

関連キーワード

Windows 10 | Windows 10 Mobile | Microsoft


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ