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» 2008年12月17日 16時45分 UPDATE

複合機08-09年モデル徹底検証:第4回 印刷品位をとことんチェック――最も高画質な複合機は? (1/3)

特集の第4回は、エプソン、キヤノン、日本HPの最新複合機7モデルで同じ写真データを印刷し、その画質を見比べる。印刷して初めて分かった各機の違いとは?

[榊信康,ITmedia]

フォト複合機7台の「画質」に迫る

 本特集では2008年末の最新インクジェット複合機から注目モデル7台をピックアップし、比較・検証を行っている。その7台とは、エプソンの「EP-901F」「EP-801A」「PM-A840S」、キヤノンの「PIXUS MP980」「PIXUS MP630」「PIXUS MP620」、日本ヒューレット・パッカードの「HP Photosmart C6380 All-in-One」といった顔ぶれだ。

本特集で比較・検証する複合機7モデル
製品名 メーカー 液晶モニタ インク構成 スキャナ 実売価格
EP-901F エプソン 3.5型 染料6色(シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロー、ブラック) 4800×4800dpi(CIS) 4万円台前半
EP-801A エプソン 2.5型 染料6色(シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロー、ブラック) 2400×4800dpi(CIS) 2万円前後
PM-A840S エプソン 2.5型 染料6色(シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロー、ブラック) 1200×2400dpi(CIS) 2万円弱
PIXUS MP980 キヤノン 3.5型 染料5色(シアン、マゼンタ、イエロー、グレー、ブラック)+顔料1色(ブラック) 4800×9600dpi(CCD) 3万円前後
PIXUS MP630 キヤノン 2.5型 染料4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)+顔料1色(ブラック) 4800×9600dpi(CIS) 2万円台前半
PIXUS MP620 キヤノン 2.5型 染料4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)+顔料1色(ブラック) 2400×4800dpi(CIS) 2万円台後半
HP Photosmart C6380 All-in-One 日本HP 2.4型 染料4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)+顔料1色(ブラック) 4800×9600dpi(CIS) 2万台半ば

 これまでは今年のトレンドや製品の概観機能や操作性印刷スピードを順に追ってきたが、今回はイメージングデバイスの本質的な部分である画質を検証していく。各機のプリントエンジンの違いは第2回で解説しているので、こちらも併せて参照してほしい。

 検証を行ったのは、L判写真印刷、普通紙カラーコピー、反射原稿カラースキャンの品質だ。プリンタ/スキャナ(TWAIN)ドライバや複合機本体のカラー設定は特に断りがない場合、デフォルトの設定としている。

 以下に掲載した印刷サンプルは、出力結果をスキャンした画像データの縮小表示だ。各サンプルをクリックすると、500×750ドット(横位置の画像の場合は750×500ドット)の画像が表示される。スキャンした段階で、色の表現方法がCMYKからRGBに変わり、ディスプレイやソフトウェアの環境で色が違って見えるため、色再現性は正確性を欠いている。画像はあくまで各機の傾向を把握するための参考であり、評価は各画像のキャプションと本文を確認してほしい。

 また、元画像と比較して、発色が悪く、シャープネスが甘く見えるのも印刷した写真をスキャンした影響によるものだ。実際の印刷サンプルは鮮やかで細部がよりはっきりしているので、この辺は店頭で実物を見て判断してほしい。

 なお、掲載した印刷サンプルはAdobe RGBの色域を正しく扱えるアプリケーションとディスプレイで表示すると、最も色再現性が高まるようにスキャンしてある。OSとWebブラウザについては、Windows Vista Ultimate(SP1)環境とFirefox 3、フォトレタッチソフトはAdobe Photoshop CS4、液晶ディスプレイは日本ヒューレット・パッカードの「HP DreamColor LP2480zx」で各サンプルの色を確認した。

L判写真印刷(メーカー純正の最上位写真用紙/最高画質設定) その1

 まずは7モデルの複合機をPCに接続し、共通の画像データをL判に印刷した。写真印刷はフォトインクジェット複合機のキモなので、「カラー静物/グラデーション/カラーパッチ」「カラー人物」「モノクロ風景」の3パターンで比較している。

 印刷品質は各モデルの「最高品質」に設定した。モノクロ写真のデータは基本的にカラーで印刷を行っているが、プリンタドライバにモノクロ印刷専用のモードが用意されている場合には、これを使用している。

 写真用紙は各メーカー純正の最高級用紙もしくはメーカーが推奨するものを使った。つまり、エプソン製品が「写真用紙クリスピア<高光沢>」、キヤノン製品が「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]」、日本HPが「アドバンスフォト用紙」だ。

・カラー静物/グラデーション/カラーパッチ

tm_0812mfp4_01.jpg EP-901F:トーンカーブのS字がきつく、メリハリの効いた絵になっている。そのぶん、発色がよく見えるが、シャドー、ハイライトともに淡い階調がつぶれがちで果実の鮮度が不足している。カラーバランスは申し分ない
tm_0812mfp4_02.jpg EP-801A:プリントエンジンは同一なので、傾向はEP-901Fと同様だ。ただし、EP-901Fよりも少しトーンカーブが緩くなり、比較的自然な印象で描けている。個体差かもしれないが、確かに画質の差が見られる
tm_0812mfp4_03.jpg PM-A840S:これもかなりメリハリが効いている。EP-901F、EP-801Aと同じインクを使っているので、全体的な印象は似ている。細部の描写力とカラーバランスのよさに助けられているが、不自然さは少々残る

tm_0812mfp4_04.jpg MP980:ハイライトが切り詰められているが、元画像に近い描写ができている。多少はメリハリをつけているが、許容できる範囲だろう。高彩度の色が鮮やかで、ビンやグラスの透明感や果物の鮮度もあり、7台の中では良好だ
tm_0812mfp4_05.jpg MP630:全体的な傾向はMP980に似ている。ただ、凝視すると、階調の途中でつぶれたり、飛んだりしている部分が散見され、少し違和感が残った。カラーバランスや描写力はよいだけにもったいない印象だ
tm_0812mfp4_06.jpg MP620:発色の傾向はMP980やMP630に近い。こちらは気持ち色が強いものの、全体的によく階調が再現できた。カラーバランス、描写力も申し分ない。ややエッジが強いのは染料ブラックインクが頑張りすぎているのか

tm_0812mfp4_07.jpg C6380:トーンカーブは比較的自然なのだが、エッジが立ち過ぎているため違和感が残る。全体的に青方向に寄っているため、マゼンタとシアン、レッドとグリーンがズレている。これはプリンタよりも、アドバンスフォト用紙の色に原因があるように思う
tm_0812mfp4_50.jpg 元画像:

 なお、以下に各印刷サンプルの拡大画像も掲載した。各画像をクリックすると、600dpiで印刷サンプルをスキャンした画像データの一部が1024×768ドットで実寸表示される。各画像は写真上では約43×32ミリと小さな範囲であり、実際はここまで細部が見えることはないため、参考として見てほしい。もちろん、印刷サンプルを実際に見てもドットがこのように判別できるようなことはまったくない。

tm_0812mfp4_08.jpg EP-901F:
tm_0812mfp4_09.jpg EP-801A:

tm_0812mfp4_10.jpg PM-A840S:
tm_0812mfp4_11.jpg MP980:

tm_0812mfp4_12.jpg MP630:
tm_0812mfp4_13.jpg MP620:

tm_0812mfp4_14.jpg C6380:

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