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“音”にも注目、初の3D対応BDプレーヤー「DMP-BDT900」を試す(2/2 ページ)

» 2010年06月24日 11時29分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 利便性という点では、DLNA対応も見逃せない。DMP-BDT900はDMP(クライアント)となり、対応するレコーダーやPCなどに保存されているコンテンツをネットワーク経由で再生可能だ。なかでも同社製レコーダー“DIGA”シリーズの「お部屋ジャンプリンク」対応モデルとの組み合わせでは、共通GUIによる同じ操作感で録画番組を再生できる。すでにDIGAを持っている人は重宝しそうだ。また、そのほかのネットワーク関連の機能としては、「Youtube」再生などが用意されている。

photophoto 出力端子はHDMIが2系統のほか、コンポーネント映像、コンポジット映像、光/同軸デジタル音声出力、7.1chアナログ端子も用意。(左)。お部屋ジャンプリンク(DLNA)は、同社製の対応レコーダーと組み合わせた場合に同じGUIと使い勝手を実現できる(右)

 このほかにも、高品位電源回路や高級オーディオ用のコンデンサーなど、パーツとしてもかなり奢ったものが採用されているが、実はここまでのほとんどが、レコーダーの最高級モデルであるDMR-BWT3000と同様のスペック。録画機能が省かれたぶん安価になっている、というメリットがDMP-BDT900には存在するのだ。

 なかでも重要なポイントとなるのが2つのHDMI出力端子だ。例えば、3Dパススルー非対応のAVアンプを使っている場合でも映像側のHDMIをテレビに接続できるといったメリットもあるが、やはり音声の高品位化について触れておきたい。

HDMI 2系統出力の恩恵

 試しに3D対応のAVアンプ、ヤマハ「RX-V567」を用いて視聴してみた(システム構成や3D試聴の様子は先週掲載したRX-V567のレビュー記事を参照してほしい)。すると、映像/音声が混合されたHDMI端子1本で接続するのと、映像をテレビへ直接接続して音声のみAVアンプに入力するのとでは、誰もが感じ取れるくらいサウンドのクオリティーに差が出た。

photophoto 背面にHDMI出力を2系統装備。映像と音声を独立したケーブルで出力できる(左)。HDMI音声出力モードの設定。こちらを設定することで、SUB出力が音声専用となる(右)

 例えば、BD「300」の場合、無数に飛んでくる弓矢の総数が違って聞こえる。音声のみのほうが明らかに解像度感/音の分離度が高く、数が多く感じられるのだ。またBGMの打楽器も、低音が豊かになっていて迫力が増す。一方、HDMIケーブル1本で接続すると、音がやせて聞こえた。

 音の豊かさにおいては、BD「アンジェラアキ My Keys 2006 in 武道館」のほうが差は顕著だった。音声のみのほうがピアノの響きが豊かで、音の広がり感が増す。同時にヴォーカルの存在感も増し、声の微妙なふるえなども見事に再現してくれるため、とても情緒的だ。もちろん、RX-V567の実力による部分も大きいが、音を忠実に再生・伝送するDMP-BDT900と独立したHDMIケーブルで接続してこそ感じ取れたものだろう。

 ちなみに、環境が違うため参考にしかならないが、BDレコーダーのDMR-BWT3000でも同様の差し替えを行ってみたことがある。こちらもかなりの優秀さを発揮してくれたものの、DMP-BDT900ほどの差は実感できない。このあたりの差が、録画などの付加機能を持たないDMP-BDT900ならではのメリットといえるのかもしれない。こと音質に関しては、シンプルな内部構成(といい切るには語弊があるほど多機能だが)の“プレーヤー”に一日の長がありそうだ。

 確かに機能だけを考えると、Blu-ray Discプレーヤーよりもレコーダーを選択する方が幅広い用途に使える。しかしちょっと見方を変えると、高級レコーダーが存在しているおかげで、高品位なプレーヤーが実売12万円前後で購入できるともいえる。とくに、既にDIGAシリーズを使用している人、あるいはAVアンプを買い替える予定がない人などが3Dコンテンツを楽しみたいと考えたとき、とても魅力的な選択肢となりそうだ。

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