3D対応をうたった薄型テレビが注目を集めるなか、BDレコーダーにもついに3D対応製品が出始めた。今回は、Blu-rayで高画質の3D映像を実現する「Blu-ray 3D」について解説する。
現在利用されている3D関連用語のうち、良く耳にするのは「フレームシーケンシャル関連記事)」や「サイド・バイ・サイド」だろう。
サイドバイサイド方式は、左右両眼用の画像を1/2に圧縮したものを横に並べて1枚のフレームを形成し、再生時に伸長することにより3D映像となるもので、「BS11」などのテレビ放送で採用実績がある。水平方向の解像度が半減するデメリットはあるものの、既存のテレビ放送で利用できるのがメリットだ。
フレームシーケンシャル方式は、左右両眼用の画像を交互に表示し、再生時に専用メガネで振り分ける表示方式であり、現在の3Dテレビはほとんどこのフレームシーケンシャル方式を採用している。テレビ側が対応していれば、後述の「Blu-ray 3D」や上記のサイド・バイ・サイド放送も表示可能だ。つまり、サイド・バイ・サイドは3D映像の伝送する手法であり、一方のフレームシーケンシャルは表示するための仕組みなのである。
Blu-ray 3Dは、その名が示すとおりBlu-ray Disc向けの3D映像フォーマットを規格化したもの。Blu-rayディスクに3D映像を記録/再生するための仕様であり、業界団体のBlu-ray Disc Associationにより策定された標準規格だ。
この規格では、MPEG-4 H.264/AVCを拡張した「H.264/AVC Annex H」(多視点映像符号化方式、Multiview Video Coding)をビデオコーデックに採用。人間の左右両眼にそれぞれ1080pのフルHD映像が用意されるが、2つのビデオストリームは視差によるズレが若干あるに過ぎない点に着目、右目用のストリームをキーストリームとなる左目用との差分のみにすることで、必要なデータ量を25%程度抑えることに成功している。
2009年12月のBlu-ray 3D規格化完了を受け、AV機器メーカーも次々と対応を発表。まずはソニーが、「プレイステーション3」をシステムソフトウェアのアップデートで対応させることを明らかにした。BDレコーダーでは、パナソニックが「DMR-BWT3000/BWT2000/BWT1000」の3機種、シャープが「BD-HDW700/HDW70」の2機種でサポートを実現した。またBDプレーヤーとして、パナソニックから「DMP-BDT900」が登場する。
3Dが映像分野のホットキーワードとなった現在、フレームシーケンシャル方式に対応した薄型テレビとともに、各メーカーから対応製品が続々登場するはずだ。
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