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クリプトン、192kHz/24bit再生に対応した小型アクティブスピーカー「KS-3HQM」を発売オーディオ専門店でしか買えないPCスピーカー

» 2012年09月12日 21時56分 公開
[ITmedia]

 クリプトンは、「HQMデジタルオーディオシステム」の新製品として、192kHz/24bitまでのハイレゾ音源再生に対応した小型アクティブスピーカー「KS-3HQM」を10月中旬に発売する。価格はオープンプライス。同社オンラインストアの直販価格は8万9250円。

「KS-3HQM」

 USBケーブルでPCに接続するだけでPCオーディオを楽しめるデスクトップ用のアクティブスピーカー。2010年に発売した「KS-1HQM」の上位モデルにあたる。

 デザインや音質の評価が高かったTymphany製6.35センチフルレンジユニットなどはKS-1HQMと共通ながら、新開発の“ピュア・デジタルパワーアンプ”と192kHz/24bit対応DDC(Digital to Digitalコンバーター)で強化。一般的なDAC内蔵アクティブスピーカーはDACでアナログ変換を行い、アナログアンプで音声を増幅するが、KS-3HQMの場合はスピーカーの直前までデジタル処理。音の鮮度が違う」。出力は25ワット+25ワット。

 さらに大きく変わったのはキャビネットだ。KS-1HQMでは左右側面を除く4面をアルミフレームでぐるりと囲む構造だったが、今回は側面までアルミ素材として制振性を大幅にアップ。音量をかなり上げてもキャビネットの震動を抑え、低域へのマスキングを防ぐ。86(幅)×105(奥行き)×170(高さ)ミリとコンパクトなサイズは変わらないものの、重量は1本あたり1キログラム以上ある(アンプ内蔵の右は約1.1キロ、左は1.05キロ)。

 また背面のバスレフダクトは、従来のストレートタイプから断面積が徐々に大きくなるテーパードダクトに変更。中にモルトプレーン(吸音材)を入れ、音響的には密閉型に近い“ダンプドバスレフ”とした。メリットは、「低域に対する制動がかかりにくく、音のひずみ感を低減できる」(同社)。

背面バスレフダクトと中身(左、中)。アルミのフレーム。今回は側面にもアルミ板がつけられた(右)

 付属のオーディオボード(スピーカー設置台)は粒状の鉄を入れて音楽再生時の共振を抑制する仕組み。ハイカーボンスチール製のインシュレーターと組み合わせて使用する。オーディオボードの重量は従来製品の800グラムに対して約700グラムと減っているが、これは本体が重くなったことでバランスをとった結果だという。

DTM編集のイメージ(左)。スピーカー設置台とハイカーボンスチール製のインシュレーターが付属(右)

 入力端子はUSB 2.0のほかに光デジタル、アナログミニジャックを用意。光デジタル入力を使って薄型テレビの音を強化したり、手持ちのオーディオプレーヤーと組み合わせることも可能だ。

 付属品は、アナログケーブル、USBケーブル、ACアダプター、リモコン、Windows 7用ドライバー入りCD-ROMなど。またオプションとして専用キャリングケース(1万5000円)をラインアップした。これは、従来機がDTM編集のモニターとして使用されるケースが多かったため。「録音スタジオやセッション会場への持ち運びに便利」という。

 なお、KS-3HQMの販売は、クリプトンの特約店(オーディオ専門店)および同社のオンラインストアのみで行われる。「量販店で販売するほど潤沢に生産できないことも理由の1つだが、販売店には1店1店、音を聴いてもらっている。音にこだわるオーディオ専門店が“納得して扱う製品”ととらえてほしい」(同社)。

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