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以前とは違う“トリルミナス”搭載、ソニーが65V型と55V型の4K液晶テレビを発表2013 International CES

» 2013年01月08日 15時06分 公開
[ITmedia]

 ソニーは米ラスベガスで1月8日(現地時間)に開幕する「2013 International CES」において、新しい4K液晶テレビ“ブラビア”「X900Aシリーズ」など多彩な新製品を展示する。また参考展示として、56V型の4K対応有機ELテレビ、民生用としては初となる4Kカムコーダーなども披露する。

ソニーブースの様子。新しいデザインコンセプトでは、画面の両サイドにスピーカーが正面を向いて搭載されている。独自の磁性流体スピーカーを採用したユニットも採用

 4Kテレビ「X900Aシリーズ」は、年末に発売した84V型「KD-84X9000」に続く第2弾。55V型の「XBR-55X900A」と65V型の「XBR-65X900A」を春から北米市場で販売する予定だ。いずれも映像エンジン「4K X-Reality PRO」を搭載。LEDバックライトはエッジ型ながら、動画ボケを抑える「Motionflow XR960」でクッキリとした映像を実現する。

以前とは違う“トリルミナス”

「Color IQ」。純度の高い青、緑、赤の波長が取り出せる

 注目は“Triluminous display”(トリルミナスディスプレイ)と呼ばれる技術だろう。ソニーのトリルミナスといえば、3原色(RGB)のLEDを使用した直下型バックライトシステム「トリルミナス」が思い浮かぶが、今回は違う。そもそもX900Aシリーズはエッジ型バックライトだ。

 トリルミナスディスプレイは、米QD Visionが開発した量子ドットを用いる発光半導体技術「Color IQ」をソニーのディスプレイ技術と組み合わせたもの。Color IQは、ガラスの中に微細な半導体粒子を含む樹脂を封入して密閉した光学部品で、特定の波長の光を当てると、別の波長の色に変換して、純度の高い青、緑、赤が混合した白い光に変える。これを利用して、従来の単色LEDバックライトを用いた液晶テレビでは表示できなかった広い色再現領域を実現するという。

 なお、Color IQにはごく微量のカドミウム化合物が含まれているが(テレビ1台あたり0.01グラム以下)、密閉されたガラス内の完全に硬化した樹脂に封止しているため影響はないという。EUのRoHS指令や各国の環境関連規制もクリアしている。

「Color IQ」による色再現範囲の拡大(出典:QD Vision)

 テレビとして初めてダンパーレス構造の磁性流体スピーカーを採用した点もトピックだ。新しいデザインコンセプトでは前面にスピーカーを配置し、迫力のあるサウンドが楽しめるという。このほか、Wi-Fi内蔵やMHL対応、偏光方式の3D対応、テレビ視聴時にスマートフォンやタブレットで関連情報を楽しめるアプリ「TV SideView」なども特長だ。同社によると、新しい4K液晶テレビシリーズは、「84V型よりもお求めやすい価格帯」で販売するという。

「55X900A」

広色域データ対応のBD、4Kネット配信も

 4Kテレビのコンテンツについても複数の発表が行われた。まず、夏をメドに米国で4Kコンテンツの配信サービスを開始する。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)の映画などを楽しめるという。

 また、同じくSPEの映画のうち、4K撮影の映画や4K以上でフィルムスキャンを行ったコンテンツを広色域データ対応の「ブルーレイディスク “mastered in 4K”」としてシリーズ化する(解像度はフルHD)。今春から十数タイトルを発売し、順次拡大する予定だ。

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