今年1月の「International CES」に比べ、4K(UHD)に対してよりコミットしたのも今回の特長といえる。今年のCESでSamsungは、スマートテレビ、大画面、OLED、4Kと複数のテーマに分散した展示を行っており、メッセージ性としては、「4Kは数ある製品アピールの1つ」といった印象でしかなかった。ところが今回、「IFA 2013」の発表会では4Kを全面プッシュしており、これまで以上にライバルを意識した展示といえそうだ。
とくに、発表会場で前回はほとんど触れられていなかった“既存のSDやフルHDコンテンツから4Kへのアップコンバート技術”にたびたび言及したことも大きな違い。4K解像度や映像クオリティーの高さをアピールしつつ、どれだけ既存のコンテンツを4Kテレビで楽しめるか? という点を大きなポイントに挙げた。そして「Future-Proof(長年にわたって使い続けられる)」をキーワードに、4Kコンテンツの限られる現在から、今後コンテンツの充実してくるであろう将来まで、長く活用できるポテンシャルをうたった。
4Kテレビの新製品としては、「S9シリーズ」として業界最大クラスとなる98V型や110V型モデルの追加が発表された。これらは展示ブースの目玉の1つにもなっており、入り口正面に目立つ形で展示が行われていた。
さらにもう1つ。ブースのみの参考展示ではあったが、4Kテレビを「Curved」にした曲面の液晶テレビも用意した。サイズは65インチで、やはりパネル表面の曲面以上に本体背面のほうにカーブがついており、前述の「Curved OLED」以上に湾曲した印象を受けた。
「Curved」(曲面)の大画面テレビが市場に受け入れられるかは未知数だが、LGエレクトロニクスも今回の「IFA 2013」で77インチの曲面有機EL(しかも4K)を参考展示し、一方でソニーは海外向けながら曲面65インチ液晶テレビを投入するなど、少なくともメーカーの注目度は高くなっている。今後、さらなる大画面化や4K解像度とともに、1つのトレンドになる可能性もありそうだ。
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