ITmedia NEWS >

“曲面”は薄型テレビの最先端?――サムスンの場合IFA 2013(2/2 ページ)

» 2013年09月09日 13時26分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
前のページへ 1|2       

4K液晶テレビにも「Curved」?

 今年1月の「International CES」に比べ、4K(UHD)に対してよりコミットしたのも今回の特長といえる。今年のCESでSamsungは、スマートテレビ、大画面、OLED、4Kと複数のテーマに分散した展示を行っており、メッセージ性としては、「4Kは数ある製品アピールの1つ」といった印象でしかなかった。ところが今回、「IFA 2013」の発表会では4Kを全面プッシュしており、これまで以上にライバルを意識した展示といえそうだ。

 とくに、発表会場で前回はほとんど触れられていなかった“既存のSDやフルHDコンテンツから4Kへのアップコンバート技術”にたびたび言及したことも大きな違い。4K解像度や映像クオリティーの高さをアピールしつつ、どれだけ既存のコンテンツを4Kテレビで楽しめるか? という点を大きなポイントに挙げた。そして「Future-Proof(長年にわたって使い続けられる)」をキーワードに、4Kコンテンツの限られる現在から、今後コンテンツの充実してくるであろう将来まで、長く活用できるポテンシャルをうたった。

4Kの大画面液晶テレビは新ラインアップが登場

 4Kテレビの新製品としては、「S9シリーズ」として業界最大クラスとなる98V型や110V型モデルの追加が発表された。これらは展示ブースの目玉の1つにもなっており、入り口正面に目立つ形で展示が行われていた。

4Kテレビには98V型や110V型が登場。展示にも力が入っている

 さらにもう1つ。ブースのみの参考展示ではあったが、4Kテレビを「Curved」にした曲面の液晶テレビも用意した。サイズは65インチで、やはりパネル表面の曲面以上に本体背面のほうにカーブがついており、前述の「Curved OLED」以上に湾曲した印象を受けた。

「Curved UHD TV」は、画面が湾曲した4K液晶テレビだ。背面を見ると、画面以上にカーブがついている

 「Curved」(曲面)の大画面テレビが市場に受け入れられるかは未知数だが、LGエレクトロニクスも今回の「IFA 2013」で77インチの曲面有機EL(しかも4K)を参考展示し、一方でソニーは海外向けながら曲面65インチ液晶テレビを投入するなど、少なくともメーカーの注目度は高くなっている。今後、さらなる大画面化や4K解像度とともに、1つのトレンドになる可能性もありそうだ。

韓国LGエレクトロニクスは、IFA 2013の同社ブースで77インチの4K対応曲面有機ELディスプレイを参考展示(左)。ソニーが海外で発売した65V型液晶テレビ「KDL-65S990A」。解像度はフルHDながら、曲面の液晶テレビとしては、こちらが市販第1号となる、価格は約5000ドル(実売4000ドル)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.