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“禁断の設定”を開放!?――パイオニアが投入したUSB-DAC「U-05」のマニアック度(3/3 ページ)

» 2014年06月17日 01時36分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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禁断の設定(?)をユーザーに開放

 田口氏によると、U-05の大きな特徴が、ユーザー自身で好みの音に調整できる3つの機能だという。まず「デジタルフィルター」は、ESS DACがもともと持っている機能で、ESSが開発した「SLOW」「SHARP」、およびパイオニア独自の「SHORT」から選択できる。標準では解像感の高い「SHARP」となっていて、リモコンのボタン操作で簡単に変更できる。

デジタルフィルター設定

 2つめは、アップサンプリングとビット拡張を行う「オーディオスケーラー」機能だ。基本的にはAVアンプからの流用だが、DSPは384kHzまで対応できるものに変更されている。設定は「Hi」「Low」「OFF」の3段階。また、逆に楽曲の信号を忠実に再現する「DIRECT」モードも設け、ユーザーの好みで選択できるようにした。

アップサンプリング設定

 最後は「ロックレンジアジャスト」機能。これもDACチップがもともと持っている機能の1つだが、通常はユーザーに開放されることはない。なぜなら、ロックレンジを狭めるとデジタル伝送時のジッターノイズが減り、「音が締まってくる」ものの、あるレベルを超えるとロックが外れ、“音切れ”が発生してしまうからだ。音切れの発生は製品の信頼性に直結するため、一般的には十分に余裕を持ったロックレンジを設定する。

ロックレンジ設定

 しかし、ロックレンジを狭めることによる音の変化は、実際に試して見るとかなり魅力的だ。そこでパイオニアは、通常設定として4段階のロックレンジ設定を設けてユーザーに開放。さらに“裏モード”ではないが、リモコンのボタンを5秒以上長押しすることで移行できる“上級者モード”まで用意した。上級者モードにすると、7段階のロックレンジ設定が可能だ。

 「おすすめは、楽曲を再生しながら1段階ずつロックレンジを狭めていき、音切れが発生したら1つ戻ること。昔、カセットテープで録音レベルを調整したように、ぎりぎりの線を見極める楽しさがあります」(同氏)。


 U-05の価格は10万5000円。同社では6月17日(火)より東京・銀座にあるショールーム「パイオニア プラザ銀座」に「U-05」を先行展示する予定だ。

 また、ヘッドフォン販売のフジヤエービックは「U-05」の試聴会を6月22日(日)に開催すると発表している。場所は、ヘッドフォン祭でもおなじみの中野サンプラザで、開場時間は11時30分から15時まで。参加は無料だ。詳細は同社の告知ページを参照してほしい。

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