第6回ポタフェス
「こんなの、どうでしょう」――ポタフェスで見つけた参考展示
ポタフェスは、ポータブルオーディオファンのお祭りであるとともに、メーカーがユーザーに対して「こんなの作ってみたけど、どうでしょう?」と製品化前の市場調査を行う場にもなっている。その中には既に製品化間近のものもあれば、「とりあえず作ってみた」というレベルのものもあって面白い。今回はそんな参考展示の製品を中心にピックアップしていこう。
Astell&KernとJH Audioの新しいコラボイヤフォン
アユートブースでは、先日リリースしたAstell&Kern「AK100 MKII」の限定サファイアブルーモデルや「AK240ブルーノートエディション」を含めたハイレゾプレイヤーの全ラインアップに加え、事前の予告通り、米JH Audioとの新しいコラボれーション製品となるイヤフォン「Angie」(アンジー)および「Layla」(レイラ)を参考展示した。今回、世界に先駆けて日本で公開したというもので、来日したJH Audioの幹部も自らブースに立って製品説明を行うなど、気合いが入っていた。
カスタムIEMで知られるJH Audioだが、「Angie」と「Layla」はどちらもユニバーサルタイプ。通常のイヤーチップを装着し、誰でも使えるカナル型イヤフォンだ。ただし、JH AudioがカスタムIEMで培った技術をベースにしているだけあって、いずれもバランスド・アーマチュア型ドライバーを多数使った豪華な構成になっている。
例えばアンジーは、8基のバランスド・アーマチュア型ドライバーを搭載(Low×2、Mid×2、High×4)し、ボーカル寄りの音作りが特徴だという。
一方のレイラは、12基(Low×4、Mid×4、High×4)のドライバーを搭載したスタジオモニタータイプ。12基というと「THE SIRENS SERIES - Roxanne」(ロクサーヌ)を思い浮かべる人も多いと思うが、ドライバーは新開発だという。その音はモニターらしく「まっすぐな音色」。いずれも2015年に発売する予定だが、価格は未定だ。
オラソニックがナノコンポ用バランス出力アダプターを参考展示
オラソニックブースでは、同社の“NANOCOMPO”シリーズをバランス接続のヘッドフォンで利用するためのアダプターが参考展示されていた。
試作機は「手近にあったケースに突っ込んできただけ」(同社)のため、デザインは参考にならないが、プリメインアンプ「NANO-UA1a」のスピーカー出力を利用してヘッドフォンのバランス出力に変換し、2.5ミリプラグ×2で出力していた。
対応製品は、NANO-UA1aのほか、NANO-UA1、NANO-A1の3機種。「製品化については、ポタフェスでの来場者の反応を見て決めたい」と話していた。
卵形スピーカーを吊ってみたら……?
マクセルブースで目を引いたのが、逆さまに吊り下げられた卵形のスピーカーだ。
このスピーカーは、BifrosTec(ビフレステック)の「D'Egg」。前方の黒い卵形の枠内が振動板になっており、広がりのある音と20~4万Hzという再生周波数帯域を誇る。マクセルは、このスピーカーを音響的に理想的とされる吊り下げ式にする専用ハンガーを作成し、コラボレーション製品として販売する計画だという。
「吊り下げることで不要共振を防ぐとともに、テーブルなど設置場所への振動伝播もなくすことができる。手軽にハイレゾ再生を楽しめるデスクトップ用スピーカーとして販売したい」(同社)。
セット価格は20万円弱になる見込みで、2015年春に発売予定。ちなみにスピーカーが逆さまになっているのは、スピーカーの底面にもともと付いていた固定用ネジ穴を流用しているため。今後はブランド名の印刷を逆さまにして対応する予定だが、初期ロットだけはこの状態で販売される見込みだという。
とあるユーザー層に大人気のヘッドフォンカバー
フィフティスクエアの「mimimamo」は、耳とヘッドフォンを守るイヤーパッドカバーだ。吸湿・速乾性に優れたテンセル素材を採用し、柔らかい肌触りで長時間のリスニングを快適にするという。最近、大型のヘッドフォンに対応するため、Lサイズをラインアップに加えた。
とはいえ、ドライバーの前に薄いとはいえ布が1枚追加されるわけで、ポタフェスに集まるような“音にこだわる層”に受け入れられるのか未知数だった。しかし同社によると、実は高級ヘッドフォンブランド「GRADO」のユーザーに人気が高いのだという。GRADOといえば、MC型ステレオカートリッジの基本特許を持ち、オーディオ業界に大きな影響を与えたジョセフ・グラド氏の設立したオーディオブランド。その製品は音質とともに独特のイヤーパッドでも知られる。なるほど。
ちなみにフィフティスクエアでは現在、mimimamoの対応機種(装着に問題のないヘッドフォン)の表を作成しているが、その作業にポタフェスは多いに役立っているようだ。
「対応表にないヘッドフォンを持参してもらい、1機種ごと先着1名に好きなカラーとサイズのmimimamoを1つプレゼントする“ご協力キャンペーン”を実施しています。また出展社の方が製品を持ってきてくれたりするケースもあって、かなり増えてますね」(同社)。
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