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“素直なデザイン”で省エネと静音化を実現――シャープ、車載用プラズマクラスターイオン発生機の新モデル

» 2015年12月15日 21時18分 公開
[ITmedia]

 シャープは12月15日、車載用プラズマクラスターイオン発生機の「IG-HC15」など3機種を発表した。外観は従来機とあまり変わらないが、“素直なデザイン”によってイオン放出の効率化と消費電力の削減を同時に実現したという。

「IG-HC15」は3つのカラーを用意。「高濃度プラズマクラスター25000」を搭載している

 同社は2009年に初めて車載用イオン発生機を投入。当初はカップホルダー型のみだったが、2013年にはカップホルダーの少ない軽自動車に向けてクリップでエアコンの吹き出し口に装着できるタイプを追加。さらに2014年にはミニバンなど広い居住空間を持つ車をターゲットにしたフィルター内蔵タイプもラインアップに加えた。プラズマクラスターイオンには、花粉の不活性化や静電気除去といった効果もあるが、車載用の場合は主に“消臭”を目的としている。

 「自動車は主な交通手段であり、第二の居住空間ともいえるが、独特のニオイや染みついた汗のニオイなどに悩む人も多い」(同社)

原理に素直なデザイン

 新製品の「IG-HC15」は、車内のカップホルダーに収まる円筒形のイオン発生機だ。基本的なデザイン従来機を継承しているが、中身は大きく変わった。

 まず内蔵ファンを本体側面にある吸い込み口とを水平に並べることで空気の取り込みを効率化。内部の空気の通り道も斜めに変更し、さらに吹き出し口も傾斜させた。

カットモデルの比較。左が新製品、右が従来モデルだ

 カットモデルを見れば、入口から出口までなだらかに湾曲して抵抗を減らしていることが分かる。これはファンが起こす風の流れに沿ったもの。「イオンを効率良く放出する、原理に素直なデザインだ」(同社)

 こうした設計変更により、「IG-HC15」は消費電力を従来機に比べて約50%削減したほか、運転音も抑えることに成功した。例えば「標準運転」時の動作音は、従来機より6dBも低い23dB。「弱運転」時も同じく6dB低い23dBとなっている。なお、消費電力は標準モード時で0.6ワット(従来は1.9ワット)、弱運転時は0.5ワット(同1.2ワット)だ。

 一方、消臭スピードを標準運転時の2倍にする「ターボ運転」では、駆動音の大きさこそ変わらないものの、’消費電力はやはり1.9ワット(同3.8ワット)と半減した。

吹き出し口のある上面も斜めになった

 もう1つの特徴は、車内でもUSB電源を使う機会が増えたことを受け、付属のACアダプターがUSBカーアダプターに変わったこと(ただし、スマホなどの充電は動作保証外)。本体サイズは65〜75(直径)×162(高さ)mm。重量は約260グラム。

付属のUSBカーアダプター。出力は1アンペア

カーエアコン取付タイプはマイナーチェンジ

 また同時に、カーエアコン取付タイプ「IG-HC1」とフィルターを搭載した空気清浄機タイプの「IG-HCF15」もラインアップ。基本設計はそれぞれの従来モデルと変わらないが、「IG-HC1」では付属のアタッチメントがクリップタイプに変更され、エアコンのルーバーに簡単に取り付けられるようになった。またUSB電源に対応したことで、車内のみならデスクの上や寝室でも使用できるという。

カーエアコン取付タイプ「IG-HC1」。ドルチェをモチーフにしたというカラーリングとパッケージもユニーク

 一方の「IG-HCF15」は、大きめボディーの空気清浄機タイプだ。微細な粒子を捉える「集じん・脱臭一体型フィルター」のほか、活性炭素材を使った「洗える脱臭フィルター」など3つのフィルターを内蔵。「普通車(セダン)の場合、車内は約3.6立方メートルほどの容積になるが、これを約13分間できれいにする」(同社)という。

フィルターを内蔵した空気清浄器タイプ「IG-HCF15」
3種類のフィルターを搭載

 新製品の3機種は、2016年1月22日に発売される予定だ。価格はオープンプライス。店頭ではカップホルダータイプの「IG-HC15」とクリップタイプの「IG-HC1」がそれぞれ1万3000円前後、空気清浄器タイプの「IG-HCF15」は2万5000円前後になる見込みだ。

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