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ボーズの新型NC搭載ワイヤレスイヤフォン「QuietControl 30」、その背景にあるものNC機能の神髄は合気道の精神?!

» 2016年06月21日 20時05分 公開

 ボーズは6月21日、新しいノイズキャンセリング(NC)機能を搭載したワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォン新製品の説明会を開催し、来日した米Boseの上級エンジニア、ダン・ゲイジャー氏がNCヘッドフォン開発の背景やコンセプトなどについて語った。

1980年の入社以来、ノイズキャンセリングの開発に携わってきたという上級エンジニア、ダン・ゲイジャー氏

 今回取り上げられたのは、いずれもNC機能搭載で6月7日に発表された4機種、アラウンドイヤータイプ「QuietComfort 35 wireless headphones」(QC35)、Bluetooth搭載イヤフォン「QuietControl 30 wireless headphones」(QC30)、スポーツ向けBluetoothイヤフォン「SoundSport wireless headphones」、心拍数計測機能対応のスポーツ向けイヤフォン「SoundSport Pulse wireless headphones」。価格および発売日は以下のとおり。

製品名 概要 カラー 発売日 価格(税別)
QuietComfort 35 wireless headphones NC機能付きBluetoothヘッドフォン。イヤーパッドはアラウンドイヤータイプ(耳を覆うタイプ) ブラック、シルバー 6月24日 3万7000円
QuietControl 30 wireless headphones NC機能付きBluetoothイヤフォン ブラック 9月下旬 未定
SoundSport wireless headphones エクササイズ用ワイヤレスイヤフォン ブラック、アクア、シトロン 6月24日(ブラックとアクア) 1万8000円
SoundSpor Pulse wireless headphones エクササイズ用ワイヤレスイヤフォン、耳から心拍数を測定する機能付き パワーレッド 9月下旬 未定

※なお、発表当初「SoundSport wireless headphones」は7月発売としていたが、6月24日発売に変更された

Bluetooth搭載イヤフォン「QuietControl 30 wireless headphones」(QC30)
アラウンドイヤータイプ「QuietComfort 35 wireless headphones」(QC35)
スポーツ向けBluetoothイヤフォン「SoundSport wireless headphones」
心拍数計測機能対応のスポーツ向けイヤフォン「SoundSport Pulse wireless headphones」

 ゲイジャー氏はまず、ボーズのNC技術の歴史について語った。1978年に創業者のアマー・G・ボーズ博士がヨーロッパから米国へ帰国する飛行機の中で、チューブタイプのヘッドフォン(聴診器のような空気式)はノイズを遮断する性能に優れている点に注目。すぐさま機中でノイズキャンセリング技術の基本コンセプトと、数学的な根拠を導き出したというエピソードを紹介した。その後、航空機パイロット向けのヘッドセットなどを経て2000年には初のコンシューマー向けNC機能搭載ヘッドフォン「QuietComfort headphones」(QC1)が登場する。

1989年に航空機パイロット向けとして販売されたノイズキャンセリングヘッドセット「Aviation Headset」

 ここで唐突ではあるが、ゲイジャー氏は「NC機能の本質は日本人の資質に通じる」とコメント。合気道3段の同氏は、攻撃者のエネルギーをかわすという合気道の心得に掛けて、”Quiet道”(NC)は、相手の力つまり、「ノイズそのものを使って中和・キャンセルする」と話した。これは、アクティブNC技術が、雑音と逆位相の信号を作って打ち消す仕組みを例えたものだ。

地下鉄内では騒音100dBだ
日本においても、騒音苦情件数は年々増加しているという

 またヘッドフォンとしての装着感の重要性についても触れ、「アクティブ」「パッシブ」「コンフォート」のバランスの重要性を説いた。低周波はアクティブNCで、高周波はパッシブ(イヤーパッドなどの遮音性)でそれぞれ低減し、さらに高い装着性(コンフォート)も確保する。ゲイジャー氏は、これがボーズのNC製品の真髄であると熱く語った。

3つのベクトル「アクティブ」「パッシブ」「コンフォート」のバランスが重要

 新製品のうち、「QuietControl 30 wireless headphones」(QC30)だけに搭載されたのが、新しい「可変ノイズキャンセリング」機能だ。ゲイジャー氏は、製品名が「Quiet Comfort」(コンフォート)から「Quiet Control」(コントロール)に変わっている点に触れ、「NC機能の効き具合を12段階で設定できるようになった」と紹介。NC機能の強弱は、コード部のリモコンでの調整するが、無料アプリ「Bose Connect app」を使ってスマートフォンなどからもコントロールできるという。同氏は「ライブ会場で使用すれば、大きすぎる音が心地よく聴ける」というジョークで笑いを誘った。

QC30は、独自のイヤーチップ「ステイヒアプラス」が採用される。装着感はかなり良い感じだ
QC30のリモコン部。音量大小、マルチファンクションを上面の3ボタン、NCの効き具合を側面の2ボタンで設定できる。マルチファンクションでは、曲の再生・停止、スキップやSiri起動などがコントロール可能
QC30のNC機能は12段階で設定ができる
今回残念ながら、QC30の試聴機会は用意されなかったが、QC35のNC機能のデモが実施された

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