ボーズは6月21日、新しいノイズキャンセリング(NC)機能を搭載したワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォン新製品の説明会を開催し、来日した米Boseの上級エンジニア、ダン・ゲイジャー氏がNCヘッドフォン開発の背景やコンセプトなどについて語った。
今回取り上げられたのは、いずれもNC機能搭載で6月7日に発表された4機種、アラウンドイヤータイプ「QuietComfort 35 wireless headphones」(QC35)、Bluetooth搭載イヤフォン「QuietControl 30 wireless headphones」(QC30)、スポーツ向けBluetoothイヤフォン「SoundSport wireless headphones」、心拍数計測機能対応のスポーツ向けイヤフォン「SoundSport Pulse wireless headphones」。価格および発売日は以下のとおり。
製品名 | 概要 | カラー | 発売日 | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
QuietComfort 35 wireless headphones | NC機能付きBluetoothヘッドフォン。イヤーパッドはアラウンドイヤータイプ(耳を覆うタイプ) | ブラック、シルバー | 6月24日 | 3万7000円 |
QuietControl 30 wireless headphones | NC機能付きBluetoothイヤフォン | ブラック | 9月下旬 | 未定 |
SoundSport wireless headphones | エクササイズ用ワイヤレスイヤフォン | ブラック、アクア、シトロン | 6月24日(ブラックとアクア) | 1万8000円 |
SoundSpor Pulse wireless headphones | エクササイズ用ワイヤレスイヤフォン、耳から心拍数を測定する機能付き | パワーレッド | 9月下旬 | 未定 |
※なお、発表当初「SoundSport wireless headphones」は7月発売としていたが、6月24日発売に変更された
ゲイジャー氏はまず、ボーズのNC技術の歴史について語った。1978年に創業者のアマー・G・ボーズ博士がヨーロッパから米国へ帰国する飛行機の中で、チューブタイプのヘッドフォン(聴診器のような空気式)はノイズを遮断する性能に優れている点に注目。すぐさま機中でノイズキャンセリング技術の基本コンセプトと、数学的な根拠を導き出したというエピソードを紹介した。その後、航空機パイロット向けのヘッドセットなどを経て2000年には初のコンシューマー向けNC機能搭載ヘッドフォン「QuietComfort headphones」(QC1)が登場する。
ここで唐突ではあるが、ゲイジャー氏は「NC機能の本質は日本人の資質に通じる」とコメント。合気道3段の同氏は、攻撃者のエネルギーをかわすという合気道の心得に掛けて、”Quiet道”(NC)は、相手の力つまり、「ノイズそのものを使って中和・キャンセルする」と話した。これは、アクティブNC技術が、雑音と逆位相の信号を作って打ち消す仕組みを例えたものだ。
またヘッドフォンとしての装着感の重要性についても触れ、「アクティブ」「パッシブ」「コンフォート」のバランスの重要性を説いた。低周波はアクティブNCで、高周波はパッシブ(イヤーパッドなどの遮音性)でそれぞれ低減し、さらに高い装着性(コンフォート)も確保する。ゲイジャー氏は、これがボーズのNC製品の真髄であると熱く語った。
新製品のうち、「QuietControl 30 wireless headphones」(QC30)だけに搭載されたのが、新しい「可変ノイズキャンセリング」機能だ。ゲイジャー氏は、製品名が「Quiet Comfort」(コンフォート)から「Quiet Control」(コントロール)に変わっている点に触れ、「NC機能の効き具合を12段階で設定できるようになった」と紹介。NC機能の強弱は、コード部のリモコンでの調整するが、無料アプリ「Bose Connect app」を使ってスマートフォンなどからもコントロールできるという。同氏は「ライブ会場で使用すれば、大きすぎる音が心地よく聴ける」というジョークで笑いを誘った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR