6月30日12時、スマートフォン向けマルチメディア放送「NOTTV」の放送が終了しました。現在、アプリを起動すると砂嵐……ではなくサービス終了の告知が表示されます。
2012年4月にスタートしたNOTTVは、2011年7月に終了した地上アナログ放送の帯域を使い、普及が見込まれていたスマホなどに特化した放送でした。ワンセグを超える画質(720×480ピクセル、シフトタイム番組は1280×720ピクセル)やオンデマンド対応などをうたっていましたが、放送を見るための環境が広がらず、わずか4年3カ月での停波――となってしまいました。
NOTTVはNTTドコモのグループ企業mmbiが運営していた放送局の名称で、放送自体は「モバキャス」と呼ばれ、同じくドコモ関連のジャパン・モバイルキャスティングがエリアを展開。しかし電波が届くエリアは3G/4Gの様には充実せず、室内ではなかなか受信できないなど、同時期に普及したネットの動画配信サービスに比べて使い勝手に課題があったのは確かです。
また実質的にドコモのサービスであり、視聴できる端末はドコモのAndroidスマートフォンとタブレットのみ。iPhoneやiPadでもNOTTVが見られる外付けチューナーやモバイルWi-Fiルーターなども登場しましたが、価格や手軽さの面でハードルがありました。
コンテンツ面ではアイドルやお笑い芸人を起用した独自番組をラインアップし、サッカーと野球が中心のスポーツ中継や専門チャンネルと組んだニュース番組を編成。2015年にはBS/CS6局の同時配信も開始しました。料金は月額400円(税別)で、後に無料チャンネルやBS/CSの専門チャンネルも見られるパック料金(635円)も設定しましたが、割高感は拭えなかったようです。
ITmedia Mobileは地上アナログ放送の終了もフィーチャーフォンで見届けていますが、まさかその跡地(VHF-High帯)で始まったNOTTVがこんなに早く終わるとは(いや、ホントに)。以前もらったNOTTV用のアンテナケーブルを使い、万全の体制で放送終了に臨みましたので、その様子は動画でご覧ください。
さて、地上アナログテレビ放送終了後に空いた周波数帯域では、NOTTV(モバキャス)とは別のVHF-Low帯(99M〜108MHz)を使った新しい放送(V-Low マルチメディア放送)として「i-dio」がスタートしました。現在は音声コンテンツが中心で、テレビというより次世代ラジオとも呼べるi-dio。今後は次世代放送としてi-dioに注目していきたいと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR