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超音波で洗うポータブル洗濯機、シャープ「超音波ウォッシャー」登場

» 2016年08月04日 11時00分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 食事中の食べこぼしや襟元の皮脂汚れなど、洗濯機に入れる前に部分洗いが必要な汚れは多い。しかし“もみ洗い”は時間と手間がかかり、また衣類を傷めてしまうことも。シャープが8月4日に発表した“超音波ウォッシャー”「UW-A1」は、そんな部分洗いに関する悩みを解決してくれるアイテムだ。

“超音波ウォッシャー”「UW-A1」

 UW-A1は、どこにでも持ち運べるバッテリー内蔵の洗濯機。キャップを外すと先端がアルミ製の棒(ホーン)になっており、スイッチを入れると毎秒3万8000回という高速で細かく上下に振動する。アルミ棒の根本に圧電素子が組み込まれており、超音波振動を起こす仕組みだ。

ホーンと呼ばれる金属棒。これが上下に細かく振動する

 ホーンの振幅はわずか38μmと見た目には分からないレベルだが、水の中で洗濯物にあてるとキャビテーション効果(減圧による発泡現象)によって微細な“真空の泡”が無数に発生し、それが弾ける力で汚れがはがれ落ちるという。

汚れが落ちる仕組み

 超音波振動を使った製品は既に複数あり、中にはより高速に振動するものも存在するが、開発を担当した同社メジャーアプライアンス事業部、第2技術部の柴田遼主事は「検証を重ねて38kHz(毎秒3万8000回)が最適と分かった。これよりも多いと衣類にダメージを与え、少ないと十分にきれいにならない」と指摘する。

自分が着ていたワイシャツを使って効果をアピールする柴田氏
せっかく脱いでもらったけど写真では違いがよく分からない。残念

 使い方は簡単。洗面台などに水をため、衣類を浸した後、超音波ウォッシャーのホーンを汚れた部分にあて、なぞるように動かす。汚れが浮いてきたら、後はキレイな水ですすぐだけ。油汚れの場合は洗剤を併用すると効果的だという。

衣類の傷みを抑えられることも特徴の1つ。マイクロスコープで洗浄後の部分を拡大すると布の網目がしっかり残っている

 また洗面台などがない場所でも使えるように専用のパフとパフケースを付属。水を含ませたパフに衣類を載せ、上から超音波ウォッシャーを使えば、汚れがパフに移る。本体重量は約200gと軽量で、ハンドバッグなどに入れて手軽に持ち歩くことができる。

サニタリー以外の部屋でも利用できる

 「ワイシャツの皮脂汚れや衣類に付着したファンデーション、お子さんの食べこぼしもみるみる落ちる。化繊や綿、絹など幅広い素材の衣類に使える」(同社)。ただし、革など水に浸すことのできない素材には使用できない。

充電用のACアダプターやMicroUSBケーブル、パフケースなどが付属する

 シャープでは、超音波ウォッシャーを9月15日に発売する予定。本体カラーはシルバー系、ピンク系、ゴールド系の3種類を用意する。価格はオープンプライスだが、店頭では1万5000円前後(税別)になる見込みだ。

左からシルバー系、ピンク系、ゴールド系

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