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News 2001年2月26日 09:27 PM 更新

「普及のポイントは携帯電話への搭載だ」Bluetoothはこうなる−−専門家5人が徹底討論 !!(1)

これからの普及が期待される新しい無線規格のBluetooth。一時期は私たちの生活をバラ色に変える魔法のデバイスといったイメージが先行していたが,普及を前にクリアしなければいけない課題も持ち上がっている。そのBluetoothの持つ可能性や普及のポイントについて,専門家5人が徹底討論した。ZDII・Mobile合同取材。

 出席者はゴールドマン・サックス証券の山科拓氏,イー・リサーチの小野浩之氏と木原輝明氏,編集部の中川純一と斎藤健二。(以下,敬称略)

Bluetoothは小銭入れ代わり

 中川 今日はみなさんにBluetoothというテーマで話し合ってもらうために集まっていただきました。まずは, 斎藤さんからお願いします。いつぐらいから普及するというシナリオですか?

 斎藤 Bluetoothの製品自体は春先から各社出していくようですね。しかし,本格普及となるとまだ先のような気がします。

 中川 見方としては,いろいろあるでしょうね。確かに,マニアユーザー的には面白いのは,今年だと思います。では,Bluetoothが今年はどこまでいけるかとなると,今年はダメだと思います。来年前半もダメでしょう。うまくいって来年のセカンドハーフ(=下半期)と思います。実際に企業業績にプラスになるのは,2003年3月期からだと思います。

 その最大の理由は,NTTドコモにあります。どのデバイスメーカーに聞いても,基本的にワールドワイドでイニシアチブを握っているのはノキアですが,国内ではNTTドコモです。事実,通信ベンダーの開発現場では,NTTドコモの動向をウオッチしています。

 では,NTTドコモはどうなのかというと,やることは考えていますけども,イニシアチブをとってやろうとしているかというと,今年はそういうスタンスではありません。開発ベンダーの提案待ちという状態です。ですから,国内では,NTTドコモがイニシアチブを積極的にとろうとしない限り,国内での普及は難しいでしょう。

 もちろん,それ以外にも,Bluetoothの技術自体の問題もありますね。

 木原

「家庭内では電子レンジのノイズの干渉を受けるといった技術的な問題で普及も限られるのでは」と指摘する木原氏
 国内でNTTドコモを中心に規格や互換性,通信品質が決まる構図ということですか?

 中川 そういうことではありません。NTTドコモがそこまでやれるわけではありません。そういったものは,CIMとかがやることです。

 僕が言いたいことは,今年はBluetoothの普及の1年ではなく,検証の1年になるということです。現実には,東芝やTDK,IBMといったところが検証することになるでしょう。NTTドコモは,むしろ,検証する各社を積極的にサポートするということを打ち出しています。

 つまり,携帯電話にBluetoothを搭載するという形で,NTTドコモが開発各社に対し支援を行っていくかどうかというと,少なくとも今年はないでしょうということです。

 斎藤 NTTドコモはICカードも考えていますが,その関連もあるのですか?

 中川 それ以前の問題として,NTTドコモが今年Bluetoothをなぜやらないかというと,僕は将来的にはIMT-2000とBluetoothはともに発展,普及していくものだと思いますが,今年に限っては,お互いに普及を促進できない,排他的な関係になると考えているからです。

 山科 しかし,BluetoothとIMT-2000では,用途が異なっており,当分の間はマーケットが違っていると思いますが?

 中川 初期的には違うと思います。

 山科 というよりも,完全にモバイル環境で使うのが,IMT-2000であって,基本的にIrDAのように使われるのがBluetoothだと思います。IrDAは普及していないですし,IrDAのインタフェースを持っているPCでも,ソフトが違えばワークしないというのがこれまでの構図でした。

 結局,PCとPC周りにBluetoothを入れられるかどうかを1年なり,2年なりかけて検証するものだと思います。

 ですから,IMT-2000との関連では,ワイドバンドの携帯電話にBluetoothを搭載するということは,ノートPCのアクセス時に,ケーブルなしでつなげるというくらいしか,私はBluetoothの意義を見出していません。

 斎藤 NTTドコモは,Bluetoothを搭載した携帯電話を小銭入れ代わりに使いたいという構想をもっています。

 山科 でも,それをユーザーが受け入れるかどうかは別です。ユーザーにとって価格メリットがどれくらいあるのかというと,現段階では,価格メリットが全然見えません。エリクソンがいっているように,Bluetoothが2ドルや3ドルといった値段で本当にできるのかどうかすら疑問です。

 今までいろんな規格が出てきて,うまくいっていないのは,ユーザー不在の議論がつねにあったからです。BluetoothやICカードはシステムを提供する側からは便利なものですが,使う側にとってはそれほどの意義はありません。

 ICカードの話がありましたが,ICカードの良さというのは,JRの定期や企業でのIDカードといったものしか,伸びると予測されるものはありません。そういうことを考えると,Bluetoothもユーザー不在の議論ばかりという印象が強いですね。

 斎藤 携帯電話のヘッドセットみたいな使い方はどうでしょう。

 山科 そのためにどういうアプリケーションを用意するかという問題ですが,小銭入れ代わりとか,テレビのリモコン代わりといった用途は分からないわけではありませんが,そのような使い方をする人が実際にどれくらいいるのか,また,そういう使い方をすれば,当然のことながら電力消費のペースも速いので,そんな使い方は誰もしないでしょう。

 逆にいうと,それくらいしかアプリケーションを思いつかないわけです。むしろ,グループウェア的な使い方が現実的だと思います。

 例えば,PCとノンPCのインターネット接続といったものです。多分,かなり先の話だと思いますが,テレビでのインターネット接続と同期をとったり,携帯電話のアドレス帳の同期をとることぐらいしか用途はないのではと考えています。

数ドルにならないと普及しない

 小野 その時に僕が知りたいのは,Bluetoothが話題になっていますが,本当にBluetoothになれば,バラ色の世界が待っているのかということです。

 山科 最初にBluetoothはモバイルのインフラというふうに,誤解されていました。無線LAN以上のものというか,移動しながら使うというふうにIMT-2000と真っ向から対抗するものと一度は考えられていました。それがIrDAやSCSIケーブルと同じものということが分かった途端に,経済性で評価されるようになりました。

 斎藤 早い段階で夢を語られすぎたという感じがありますね。しかし,チップメーカーの開発状況としては,計画通りじゃないですか。

 中川 ワンチップ化で手間どっていたり,設計が大変だけども,ほぼ計画通りに進んでいる状況ですね。今年の春先から量産化というスケジュールに変更はないでしょう。

 PCメーカーとしては,ハイエンド機に一応搭載する予定ですが,現状ではリスクも大きい上に,Bluetoothの値段も高いので,ミドルクラス以下の機種には搭載できないという事情がありますので,今年度の製品出荷計画には入れていません。当面の対応については,PCカードなどの拡張デバイスといった形で提供することになるでしょう。

 それとモバイルの話が出ましたが,Bluetoothはシステムソリューションには,ならないんですよ。ですから,法人マーケット向けにプッシュできません。システムソリューションになるのであれば,法人向けマーケットがありますので,何千,何万という単位で出荷できますので,多少リスクがあっても製品開発できますが,それが見込めない以上は,早い時期からの量産化は無理でしょうね。

 Bluetoothのいわゆる旗振りメーカーの担当者がいうには,今年は規格の啓蒙やベンダーのテストに積極的に関わっていく年であって,自ら責任を負って積極的に製品を出荷することはないと明言していました。

 山科 しかし,ハイエンド向けには出荷していくわけですよね。

 中川 ハイエンドは差別化のためです。ですが,それで多数売っていくというスタンスではありません。年末時点でのチップの値段が20ドルです。20ドルというチップ価格は,携帯電話デバイスに搭載する価格ではありえないですよね。

 エリクソンが2ドルといっているようですが,実際に普及する価格は,ドルでなくなった時,つまり,100円以下の価格になった時と僕は考えています。それは多分2005年以降になるでしょう。

 斎藤 IrDAのチップは現在5ドル程度ですが,Bluetoothは5ドルでは厳しいですか。

 中川 IrDAの建値は5ドルですが,大口ユーザー渡しの実売価格は5ドルを切っています。それに近いラインとなると,2〜3ドルといったところでしょう。

 山科 それでは,みなさんの中で実際にIrDAを使った方は何人いますか,例えば,ノートPCや携帯電話電話にIrDAはついていますが,同期をとるためにデスクトップにインタフェースをつけた経験がある人はいますか。少なくとも,仕事で自分で使おうという感じではないですよね。

2000年のCEATECがBluetoothの実験場だった

  IrDAが使われなかった理由というのは,どこにあるんですか?

 山科 ノートPCを買い換えた時に,古いものをバックアップしようとすると,メーカー間で互換性がないのです。そこがネックですね。ですから,Bluetoothで標準化する動きは評価しますが,ハイエンドのPCに搭載するとしても,用途として想定するとすれば,プリンタやスキャナといったものになるでしょう。

 また,それらのプリンタやスキャナにもインタフェースが必要になりますので,Bluetoothの最初のユーザーというのは,限りなくオタクに近くなってしまうでしょうね。

 中川 ただ,IrDAで問題なのは,通信中に切れやすいので,ちゃんとインタフェース同士を向けていなければならないということがありました。

 Bluetoothでは,それがありませんので,デバイスを探さなくてすむというのが,Bluetoothの強みだと思います。ですから,Bluetoothには,楽観もしていませんし,悲観もしていません。

 木原 例えば,1つの室内で使うと混線するとか,家庭内では電子レンジのノイズの干渉を受けるといった技術的な問題で普及も限られるのではという指摘もありますね。

 中川 まさに,それが今年検証しなければならないポイントです。今までBluetoothというと規格の話だったり,チップを見せたりしていました。プロトタイプを使った実験でも,1対1とか1対3といった実証実験でしたので,問題点はさほどクローズアップしなかった。去年やっていた実験でも,異なるデバイスとうまくいくかという相互互換性を検証するというものでした。

 ところが,技術担当の人から聞いた話によると,去年のCEATECはかなり大変だったようです。というのも,CEATECで初めて各社揃ってBluetooth搭載機器を一斉に使ったからです。まさに,CEATECが本当の意味での実験の場になったわけですね。

 結果からいうと,ワイヤレスLANの電源を切ることになりました。BluetoothとワイヤレスLANを同時に一斉に使うと,ワイヤレスLANの回線が切断されてしまうというのです。それについては,今年のMCPCで検証しなければならないでしょう。

 木原 そういう混信を嫌って,オフィスでは使わないという風潮が強まりませんか?

 中川 それは逆です。こういうことは新しい製品や規格が出る時には,必ず起こります。期待が大きいと,マイナスの問題が起きると,悪い点ばかりクローズアップされますが,はっきりいって,Bluetoothはこれまで規格を作ってきたに過ぎません。

 一生懸命にハードの規格を作って,それがやっとできたというところで,テストはこれからという段階なわけです。こういうことは必ず起きます。

 問題が起きた時に,それではどうしようかと,じっくり話し合わなければいけませんので,僕はむしろ,いま冷え込んだのはいいことだと考えているんです。開発現場レベルの人は,いま研究室で一生懸命静かに研究していると思いますので,仕様についてもあわせて変更が進んでいるでしょう。静かにしてもらえる環境を得たことはいいことだと思います。

 一同 んんー。(納得する各氏)

 中川 それとBluetoothにも,クラス1,クラス2,クラス3と仕様が分かれているんです。クラス1とは,サーバ向けなどの幅広いものです。それがCEATECでは,クラス1が完全に稼動すると,クラス3のデバイスが他のデバイスを探してしまい,クラス1のサーバが落ちてしまうといういことがあったようです。

 そういう問題はやってみなければ,分からなかったというのです。やってみて分かったので,今年の課題ですねという話になったようです。これが現場レベルの話です。

 山科 結局,機器の電波というか,出力が弱いということで機器の間の干渉は起こらないという話でしたよね。家庭内で使うのので,それでいいということでしたね。

 中川 ゼロデシベル,10メートルですから,弱いことは弱い。無線としては最低レベルですね。

 山科 ということは,実際は2〜3メートルが限界になると思います。

 中川 あとスピードも問題もあります。現実には,デバイス化にあたっては,ゼロデシベルでやりますが,ネットワークで飛ばせる,安定化させるという意味で出力を上げる方向に向かっています。

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