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ソニーも国内初公開 3Dディスプレイが花盛りDisplay 2009

» 2009年04月15日 18時44分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 フラットパネルディスプレイを集めた展示会「Display 2009」(東京ビッグサイト)が4月15日に開幕した。今年から、3Dディスプレイのコーナーを新設。ソニーが1月に「CES」で発表した試作機や、台湾産の両面表示の3Dディスプレイなどが展示されている。

ソニーの3Dディスプレイ、国内初公開

photo ソニーの46V型立体視ディスプレイ

 注目が集まっていたのは、ソニーが国内で初公開した46V型の立体視ディスプレイだ。フルHD(1920×1080ピクセル)の液晶ディスプレイに偏光フィルターを装着し、偏光メガネを装着して視聴するパッシブ方式で、米Real Dの技術を採用している。

 会場では、熱帯魚やゲームの3D映像をデモとして表示。実際に見てみると、熱帯魚がはっきり浮かび上がって動き回り、2DテレビのHD映像と見劣りしないほどなめらかに見えた。

両面対応の3Dディスプレイ

 ディスプレイの裏表両面で裸眼立体視できる製品が三谷商事のブースに展示されている。台湾のKiSmart製で、2枚の液晶パネルの間に挟んだバックライトで両面を照らす仕組みだ。厚さは43.4ミリ、重さは16.5キロ。

photophoto 両面ディスプレイ。ディスプレイサイズなどを選びカスタマイズできる

 デジタルサイネージや、ウィンドウディスプレイ、対戦型ビデオゲームへの利用を検討しているという。

独自の「HDDP方式」で横の解像度を維持したNEC

photo HDDP方式を採用した

 NEC液晶テクノロジーは、12.1V型と3.1V型の裸眼立体視ディスプレイを出展した。

 右目用と左目用に異なるデータを表示し、立体に見せる方式を採用。通常は横の解像度が半減するが、縦ストライプに並んだRGBのサブピクセルを横ストライプに変え、各画素を半分に分割する独自の「HDDP方式」を採用し、水平方向の画素密度を2倍にしたのが特徴だ。

 「2010年の早いうちに量産化し、パチンコなどアミューズメント系を中心に、医療分野や3D CADなどに生かしていきたい」(説明員)としている。

視野角の広い裸眼立体視ディスプレイ

 東芝松下ディスプレイテクノロジーは、12.1V型の裸眼立体視ディスプレイ試作機を展示。9つ以上の異なる方向から撮影した映像を利用したインテグラルイメージング方式を採用し、視野角が広いことが特徴だ。

photo インテグラルイメージング方式を採用したディスプレイ

 パララックス(視差)バリア方式の裸眼立体ディスプレイも、ニューサイトジャパンが展示。パネル上に配したバリアにスリットを入れ、左右の目に異なる映像を見せる仕組みで、視野角が広く量産効果が高いとしている。

photophoto 42V型の裸眼立体視ディスプレイ。2インチからLEDを利用した360インチまで立体視ディスプレイをそろえているという(左)。同社は組み込み用3Dグラフィックス環境の開発にも力を入れており、基板とディスプレイをセットで展示していた。今年中の量産化を目指し、アミューズメント業界のシェア3割を狙うとしている

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