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Sun株主、Oracleによる買収差し止めを求め提訴74億ドルでは不十分

» 2009年05月11日 12時25分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 米Sun Microsystemsの取締役会は、4月20日に発表された米Oracleによる74億ドルの買収に対して全員が賛成だったかもしれないが、かなり多くのSun株主はまったく異なる見解を抱いているようだ。

 これらの株主の一部が、買収差し止めを求めて3件の集団訴訟を起こしたことが、Sunが米証券取引委員会に提出した四半期報告書で明らかになった。

 一連の訴訟はSunと同社幹部(共同創業者で会長のスコット・マクニーリー氏、ジョナサン・シュワルツCEOを含む)、そしてOracleを相手取って起こされたもので、米サンタクララ郡上級裁判所に提訴された。

 訴状によると、Oracleが提示した74億ドルの買収金額は「不当かつ不十分」だとしている。また、Sunならびに同社経営陣に対する訴えでは「被告個人は受託者義務に違反し、被告企業は受託者義務違反をほう助・教唆した」と主張している。

 Sunの広報担当者、ダナ・レンキーク氏はeWEEKの取材に対し、同社はこの訴訟に関して直ちに公式声明を発表するつもりはなく、「適切な時期」に対応する予定だと述べるにとどまった。

 あるIT業界アナリスト(匿名希望)は、「提訴したのは、以前にSunの株式を20ドル以上で購入し、そのお金の半分しか戻らないのを快く思っていない連中に違いない。こういった人々を責めることはできない。彼らは自分のすべきことをしているだけだ」と話している。

 Oracleが提示した金額は、Sunの普通株1株当たり9.50ドルである。

 OracleはSunを手に入れるのに大量の資金を調達する必要はない。Sunの流動資産(推定18億ドル)を差し引くと、実質買収金額は約56億ドルである。Oracleは82億ドルの現金および現金相当資産を保有している。

 今回のような訴訟が予想されなかったわけではない。しかし買収側企業が買収をスムーズに進めるのに必要な現金を大量に保有している場合、この種の訴訟が成功するのはまれだ。そしてOracleは間違いなく大金を持っている。

 裁判の日程は数週間後に決定される見込みだ。

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