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グラビア印刷技術で有機ELパネル DNPが開発

» 2009年07月24日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo 試作した有機ELパネル

 大日本印刷(DNP)は7月23日、グラビア印刷技術を活用した有機ELパネルを開発したと発表した。印刷機を使って有機EL材料を塗布する方式で、プラスチック基材を使えばフレキシブルなパネルの製造も可能。大型で低価格な電光表示パネルとして2010年の実用化を目指す。

 試作したのは、32(縦)×192(横)×1.4(厚さ)ミリ、39×192ドット(ピッチ1ミリ)のパネルなど。12ボルト駆動で100カンデラ/平方メートルの輝度で発光し、文字情報を鮮やかに表示できるという。

 同社が開発した専用のグラビア印刷機を使い、厚さ0.7ミリ・300ミリ角のガラス基材上に、高分子系有機EL材料を独自に加工した特殊インクで3層の有機EL層を形成した。膜厚は数ナノメートルレベルの精度でばらつきを抑え、輝度むらもないという。

 プラスチックを基材に使うことで軽くてフレキシブルなパネルも可能で、販促物などへの組み込みも容易になる。文字や絵柄はワイヤレス通信などで変更でき、販促物と組み合わせて効果的な情報を発信するなど多彩な用途への応用が考えられるとしている。来年の実用化を目指し、12年度までに約12億円の売り上げを見込んでいる。

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