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次世代スーパーコンピュータのプロトタイプも 「富士通フォーラム2010」

» 2010年05月13日 07時00分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 富士通は、プライベートショー「富士通フォーラム2010」(東京国際フォーラム)を5月13〜14日に開催する。世界最速を目指す次世代スーパーコンピュータや曲面表示ディスプレイなどを展示している。

次世代スーパーコンピューター

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 「2位ではだめなのか」――政府の行政刷新会議が実施した事業仕分け作業で話題に上がった次世代スーパーコンピュータ開発事業。予算の大幅削減を突きつけられ、事実上の凍結ともいわれたが、世論の批判などから予算は一部削減に留まった。

 会場では、最速を目指すスーパーコンピュータのプロトタイプとして、システムラック1台とCPU、システムボードが展示されている。同社が開発したSPARC64 VIIIfx×4基を搭載したシステムボードがラック1台当たり24枚収められ、全体では800以上のラックで構成。2012年までに10ペタFLOPSを目指す。


photophoto CPUとシステムボードも展示されている

 現在最速のスーパーコンピュータは、米Crayが構築した米オークリッジ国立研究所の「Jaguar」で、1.76ペタFLOPS。富士通のスパコンが実現すれば、計算速度はその約5.7倍に達する。

 説明担当者は「開発はチャレンジ。世界一を目指すという目標は技術者の意欲をかき立てる」と話し、「国に貢献しつつ、富士通の技術発展につなげたい。今後も積極的に開発に取り組んでいく」としていた。

円柱や壁、天井にも 曲面デジタルサイネージ

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 円柱に取り付けられる曲面デジタルサイネージも展示。富士通フロンテックが5月10日に発表したもので、カラー表示に対応し、サイズは1×1メートル・厚さは5センチ。複数のモジュールを組み合わせて大画面化もできる。

 発光原理はプラズマディスプレイと同じ。蛍光体とキセノンガスを封入したガラスチューブを並べ、フィルム電極を利用して画像を制御する。板ガラスではなく、ガラスチューブを複数組み合わせた構造を採用したことで曲面化を実現した。

 駅や空港、イベントホール、複合商業施設での利用を想定。駅や空港にある円柱やイベントホールの壁面や天井など、従来設置が難しかった湾曲した面に設置できるのが利点だ。2011年3月末までの製品化を目標としている。

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