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初音ミク搭乗の金星探査機「あかつき」、打ち上げに向け発射台へ

» 2010年05月17日 17時20分 公開
[森岡澄夫,ITmedia]
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 金星探査機「あかつき」を搭載したH-IIA 202型ロケット17号機が、5月17日午前6時、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)の組立工場(VAB)から発射台へ移動した。18日午前6時44分14秒に予定されている打ち上げに向け、順調に準備が進んでいる。

 「あかつき」には、26万人分の応援メッセージを印刷したアルミパネル計90枚が搭載されており、中には初音ミクファン1万4000人のメッセージの入ったミクイラスト入りパネル3枚も含まれている(初音ミク「あかつき」に搭乗! 種子島で実機を見てきた)。

画像画像 16日夜、金星が月の真上で輝いていた

 移動の前夜、ミク搭乗の「あかつき」が向かう金星は、月の真上に美しく光輝いていた。早朝にVABから姿を現したH-IIAロケットは、初音ミクとはちゅねミクらがネギを持って見送る中(筆者が持参したねんどろいどが見守った)、静かに移動して約25分で発射台へ到着した。

 H-IIAの全長は、スペースシャトルとほぼ同じ約53メートル、重量は約289トン。機体には「あかつき」のイラストが描かれている。目の当たりにしたH-IIAの実機は、イラストや模型にはない精密感と迫力に満ちていた。

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 通常、機体移動は打ち上げ9時間前に行われるが、今回は準備作業の関係で24時間前と珍しい事例になった。また、通常は打ち上げ可能な時間帯(ローンチ・ウィンドウ)に幅があるが、今回は金星へ向かう軌道に投入する都合で幅が一切ない。これも珍しいことである。

 H-IIAは、ロケットとしては実績を積み重ねて安定している機体であり、技術的なトラブルはあまり心配ない。先週発表の予報では悪天候が懸念されていたが、17日午後の時点で現地はよく晴れている。

森岡澄夫

 ニコニコ技術部で「超電磁P」という名で物作りをする本職のLSI研究者。ささやかでも宇宙に自ら関わってみたいと思い続けている。Twitterアカウントは@chodenzi個人サイト


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