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Atomプロセッサ512個搭載の省電力サーバ、新興企業SeaMicroが発表

» 2010年06月15日 16時05分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米新興企業のSeaMicroは6月15日(現地時間)、Atom搭載の省電力・省スペースサーバ「SM10000」を発表した。オンラインサービス向けに最適化しており、従来のサーバの4分の1の電力・スペースで稼働できるという。7月30日に米国ほか数カ国で発売の予定で、価格は13万9000ドルから。

 SM10000は、Intel Atom Z530(1.6GHz)を512個(8個のチップセットを載せたクレジットカード大のカード64枚で構成)搭載し、1テラバイトのDRAM、64台までのSSDまたはHDD、イーサネットスイッチ、負荷分散装置(ロードバランサ)を備える。サイズは10Uに相当する44.5×48.3×76.2センチ。1ラックで最高2048個のプロセッサを搭載したシステムを構成できる。

seamicro Atomを8個載せたカード(左)とSM10000

 同社によると、従来のサーバは少数の複雑なタスクを迅速にこなすよう設計されており、オンラインサービスで求められる細かいが膨大な量のタスクをこなす目的には適していないため、データセンターでの消費電力が増大しているという。Netbookやモバイル端末向けに設計されているAtomは、インターネットのワークロードの処理に最適だとしている。

 また、CPUが消費する電力は、サーバ全体の消費電力の3分の1程度であり、CPUの性能を上げても大幅な省電力には結び付かない。そこでSeaMicroは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキング、サーバ管理、ロードバランシングといった機能を1つの低電力システムに統合することにより、CPU以外の部分での省電力化を実現したという。

 SeaMicroは2007年創業のサンタクララに拠点を置く新興企業。Cisco Systems、Juniper Networks、Sun Microsystems、Intel、AMDなどの出身者が立ち上げた。Khosla Venturesなど複数の大手ベンチャーキャピタルから2500万ドルの出資を受けているほか、米エネルギー省から930万ドルの助成金を得ている。

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