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» 2010年07月28日 12時00分 UPDATE

「Android 2.2」のエンタープライズ機能に賛否両論

GoogleはAndorid端末の新OSでエンタープライズ市場参入を狙っているようだが、BlackBerryの機能と比較するとまだ不十分だと評価するアナリストもいる。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Googleの「Android 2.2」OSは、企業ユーザーへの訴求を意識した設計となっている。米Research In Motion(RIM)のBlackBerryプラットフォームのロックダウン機能には及ばないものの、同OSは強力なエンタープライズ機能を備えているのが特徴だ。

 5月に開催された「Google I/O」カンファレンスで披露され、7月23日にオープンソースとしてリリースされたAndroid 2.2は、ポリシー管理APIを提供する。このAPIを利用すれば、Microsoft ExchangeからAndroid端末のリモートワイプやスクリーンロックのタイムアウトなどの機能を実行可能にするアプリケーションを開発できる。

 端末のロックを解除する方法としては数字による「PIN(個人認識番号)」と英数字パスワードが用意されており、Exchange管理者は複数のデバイスに対して一括してパスワードポリシーを適用できる。

 Exchangeの予定表は「Calendar」アプリケーションでサポートされる。オートディスカバリー機能では、ユーザー名とパスワードを入力するだけでExchangeアカウントをセットアップし、同期化処理を実行できる。

 Android 2.2(コード名:Froyo)は今夏に、米Motorolaの「DROID X」や台湾のHTC製「DROID Incredible」と「HTC EVO 4G」などの端末でデビューする見込みだが、同OSが企業ニーズに十分応えるのかという点に関してはアナリストの意見が分かれている。

 米Altimeter Groupのパートナー、マイケル・ガーテンバーグ氏は、7月20日付のComputerworldのコラムで、Microsoft Exchangeのサポートが追加されたことなどを挙げ、Froyoは一部の企業での利用に耐えるようになったと述べている。

 今のところ、Android端末をExchangeサーバと同期させるには、Androidのカスタムバージョン(HTC独自UIの「Sense」やサードパーティー製アプリケーション)を搭載した携帯電話を使用する必要がある。しかしFroyoでは、Exchangeのメール、予定表、連絡先のすべてを同期できる。

 さらにFroyoは、Exchangeのグローバルアドレス帳(企業の社員名簿)とその検索機能もフルサポートする。「第一級とまではいえないが、Froyoはほとんどのビジネス用途に対応可能だ」とガーテンバーグ氏は話す。

 同氏によると、Android 2.2はセキュリティも大幅に改善されたという。英数字パスワードが使えるようになったのに加え、IT部門がExchangeサーバからパスワードを管理したり、端末のデータをリモートで消去できる。

 「しかしAndroid 2.2は、リムーバブルメディアカード対策としてのオンボードデータ暗号化、リモート追跡機能、携帯端末に組み込む標準アプリケーションセットをリモートで管理する機能などを備えていない」とガーテンバーグ氏は指摘する。

 米J. Gold AssociatesがAndroidを企業向けプラットフォームとして推奨しないのも、こういった機能が欠落しているからだ。6月15日付のリサーチノートでGoldは次のように述べている。

 Froyoの最大の問題は、端末内のデータのセキュリティを保つためのオンボードデータ暗号化機能が搭載されていないことだ。リモートキル機能とポリシーによる管理機能が追加されたが、Exchangeポリシーを運用している企業の場合は、それだけでは不十分だ。

 「セキュリティポリシーに“見せかける”ことによってAndroidがExchangeに接続できるようにするサードパーティー製アプリケーションもあるが、これはごまかしであり、セキュリティの強化にはならない」とGoldは指摘する。

 「最大の欠点は、AndroidではExchangeに設定された重要な社内ポリシーを適用できないことだ。これが可能であれば、端末に接続を許可する前にコンプライアンスを確認できる。Androidの新バージョン(2.2)は良くなってはいるが、それでも企業向けの本格的なポリシー適用機能が欠落している。このため、ほかの主要なモバイルOSと比べると、Androidは企業にとってリスクがかなり大きいと思われる」(同社)

 強力なポリシー適用機能とActiveSyncのサポートがAndroidで欠落しているため、大企業の多くはRIMのBlackBerry、もしくはサードパーティーのセキュリティ拡張機能を組み込んだ米AppleのiPhoneを選ぶものと思われる。

 Android 2.2は今のところ、Googleの「Nexus One」以外の端末には広範に採用されておらず、今夏に各社の端末で採用されるまでは、Androidが企業に訴求する可能性は低そうだ。

 「IT部門は、従業員が所有しているAndroid端末が2.2にアップグレードされるまで社内でのサポート対象にならないと伝える必要がある」とガーテンバーグ氏は話す。そういった環境が整うのは、年内のかなり遅い時期になる見込みだという。

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