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AppleのクックCOO、AndroidとWindowsタブレットを一蹴

» 2011年01月20日 12時16分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 過去最高の四半期決算に気をよくする米Appleのティム・クックCOO(最高執行責任者)は、Androidタブレットは「奇怪」であり、Windows 7搭載タブレットは「大きくて重く、高価だ」と評した。

 Appleは直近の四半期決算で、前年同期比78%増となる60億ドルの利益(1株当たり6.43セント)を記録した。売り上げは71%増の267億ドルだった。

 過去最高の収益を同社にもたらしたのは、iPhoneとiPadの好調な販売だ。iPhoneは前年同期と比べて86%増の1624万台、iPadは前四半期と比べて75%増の733万台の販売を記録した。

 iPadの好調な売り上げを背景に、タブレット市場の競争に関する財務アナリストからの質問に答えるクック氏の口調は自信にあふれていた。同氏はスティーブ・ジョブズCEOの療養休暇の間、Appleの日常業務を取り仕切る。

 「今日、市場には2つのグループが存在する。1つはWindowsベースのOSを利用した製品だ。これらの製品は大きくて重く、高価だ。バッテリー持続時間は短く、キーボードとスタイラスペンも必要だ。われわれの見解では、顧客はこういったものに関心を持っていない」とクック氏は答えた。

 「もう1つのグループがAndroidタブレットだ」と同氏は続けた。「現在、さまざまな機種が出回っているが、このOSはタブレット向けに開発されたものではない。これはGoogleが言っていることだ。このため、タブレットとしてふさわしくないサイズの製品や、タブレットとは呼べないような製品になるのだ。要するに大型スマートフォンなのだ。われわれの見方からすれば、これは奇怪な製品だ。現在市場に出回っているのは、こういった製品だ。これらの製品をiPadと一緒に並べると、圧倒的多数の人々がiPadを選ぶだろう。この点では心配していない」

 米eWEEKは、2011 Consumer Electronics Show(CES)で数機種のWindowsタブレットを手にする機会があった。バッテリー持続時間については確認できなかったが、重いマシンもあれば、そうでない製品もあった。つまり、クック氏の主張はあくまで一般論だということだ。

 一方、Androidタブレットに関するクック氏のコメントは、ほぼ的を射ている。同氏が言及しているのは、7インチスクリーンを搭載した韓国Samsungの「Galaxy Tab」と仏Archosの各種タブレットのことであるのは明らかだ。

 これらのマシンはいずれもGoogleの「Android 2.2」OSをベースとする。同OSがタブレット向けに最適化されたものでないことはGoogleも認めている。それでもSamsungは数カ月で150万台以上のGalaxy Tabを売りさばいた。

 GoogleおよびAndroidの支持者たちは、「Android 3.0」搭載タブレット(例えば10.1インチスクリーンの米Motorolaの「Xoom」)が間もなく(2月)登場すると反論するだろう。クック氏は、そういった主張は「空論」だと一蹴する。これらの製品はまだ出荷されていないからだ。

 しかしCESで米Verizonの基調講演に参加したり、Motorolaのブースをのぞいたりしたメディア関係者をはじめとする人々は、Xoomはハードウェアとソフトウェアの見事な組み合わせを実現した製品で、iPadにとって有力な競争相手になると感じたはずだ。

 とはいえ、iPadの人気は否定しようがない。米調査会社IDCが1月18日(現地時間)、Appleの決算発表の数時間前に公表したデータによると、2010年に販売された1700万台のメディアタブレットのうちiPadが90%を占めた

 IDCでは、2011年にはメディアタブレットの出荷台数が4460万台に達する見通しで、全体の40%近くを米国市場が占めると予測している。

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