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「金の運び屋募集」メールに注意、日本狙いの配信見つかる

» 2013年07月10日 17時59分 公開
[ITmedia]

 カスペルスキーは7月10日、ネット詐欺などで不正に搾取された金銭の運び屋(マネーミュール)を募集するメールが国内で出回ってといるとして、同社のブログで注意を呼び掛けた。マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に加担することになると警告している。

 同社によると、マネーミュールを募集する24通のメールが同社に着信した。メールは全て異なるアドレスが使われていたが、いずれも英文で「日本語を理解できる人に仕事のチャンス」といった件名が付けられていた。あるメールには、1週間に15時間働くと1カ月で3500ドル、さらに取引ごとに送金額の5%を支払うという報酬が記載されていた。

カスペルスキーが受信した日本狙いのマネーミュール募集メール

 フィッシング詐欺などで不正に搾取された金銭は、犯罪者が警察などの摘発から逃れるために、第三者の口座などを経由して手元に入手しようとする。このための口座を提供したり、取引を行ったりするのがマネーミュールだ。これまで開発途上国などで募集メールが流通したり、実際に資金洗浄に加担したりするケースが知られていた。

 カスペルスキーが調査のために送信者へ照会したところ、英語と日本語のスキルに加えてコンピュータの知識やOfficeソフトの知識が応募条件として提示され、個人情報の提供を求めてきたという。また、同様の内容を検索したところ、内容を曖昧にしている求人サイトも見つかった。

 同社は今回のメールが英文であるため、日本人が受信しても警戒や無視をする可能性が高いものの、仮に日本語で記載されていたら、小遣い稼ぎの感覚で応募してしまう恐れがあると警鐘を鳴らす。「『うまい話には裏がある』との言葉通り、こうしたメールを受け取っても無視し、削除することは身を守る助けになる」と解説する。

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