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ナウなヤングがチャーミングな死語でトーキング 「ノスタルジックピープル」スタンプクリエイターズ・ファイル

» 2015年12月14日 11時00分 公開
[山崎春奈ITmedia]
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クリエイターファイル vol.31

クリエイター:naotte

Twitter:@naotte

 最初は自分には無理だろうとスルーしていたのですが、友人たちに「作ってみたら」と言われ、やり方を教えてもらいながら調子に乗って作りはじめました。ペンで手書きしたものをスキャン後、Photoshop、FireAlpacaでペイントやリサイズをしています。

 日頃から死語や古い言い回しってチャーミングだなと思っていて、そんな気持ちから生まれたのが「ノスタルジックピープル」です。リアルタイムで使っていた人も、なんとなく知ってる人も、知らない人にも、多くの人に受け入れられる魅力があるのでは? 死語使ってこ! なんて。もともと楽しくコミュニケーションするために使われていたものなのですから、LINEにもぴったりですよね。

 若い人には特に使われない言葉ですが、それでも大体の人が「古っ!」と思いつつ意味をわかってくれること、かつLINEのやりとりで使いやすいこと、そしてせっかく買ってもらうんだからなるべく“捨てスタンプ”がないように――このあたりはすごく意識して作りました。見ての通り画力が乏しいんですけど、スタンプ制作では「へた、拙い」感じを生かそうと思いつつ作っていました。

 苦戦したのが、シリーズが進むにつれて「THE・死語」なことばが出なくなってきてしまうところ。同じ言葉で絵柄を変えて作ることもできるんですが、もしシリーズをそろえたいと思ってくださる方がいたら、かぶらないほうが絶対いいと思いました。なので、ちょっぴり古い言い回しは残しつつ、ちゃんと使いやすいスタンプであるという条件にシフトして、バランスのよさに気を付けて第2弾、第3弾と制作していきました。

 自分なりによく描けたお気に入りのスタンプと、ささっと描いたスタンプ、後者のほうが使われてる、ということがよくあります。必ずしも自分の自信作が人気が出るとは限らないんですね。例えば、「仲間たち」「仲間たちpart2」というわけのわからないスタンプがあるのですが、これは本当に時間をかけてないんです。適当に作ってしまった。なのにノスタルジックピープルシリーズの次に多く使っていただけています。これは意外でした。

 小さいころから落書きをするのが大好きだったのですが、それはもちろん自己満足で終わるものでした。でも作ったスタンプは、私の脳を飛び出してたくさんの人に届いていて、自分の知らない人までが私のスタンプを楽しく使ってくださっている。しかも日本全国、世界中で。こんな体験は今までしたことがなかった。大げさかもしれないけど、感動ですよ……。少し恥ずかしいし、自信もないですが、こんなにうれしいことってなかなか無いです。地球ありがとう……!

 シリーズ最新作「ノスタルジックピープル 冬」は11月末にリリースしたばかりです。初代スタンプ「うさぎさんたち」の続編も作りたいし、王道のかわいい動物ものも作ってみたい! とても楽しいです。

お気に入りはコレ!

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 「ノスタルジックピープル2」の「サンキューベリーマッチョ」でしょうか。マッチョがカジュアルにありがとうを伝えてくれます。

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